TIPS 登場人物紹介③
***** 異界人 *****
◇プラ・エ・テラニス(迷宮群棲国)
・山賊の斥候らしき男
街道で切り取りを生業とする強面の男
余りにみすぼらしい外見の加藤は相手にしなかった※67話
・北門の衛兵
迷宮都市ベニスの門を守る厳つい体躯の門番
相当な手練れで、迷宮都市ベニスを初めて訪れた加藤はとても敵わないと推察した
辺境で成人した男性には珍しく髭を蓄えておらず、死滅した頭髪を隠す為に兜を脱ぐ事は滅多に無い
・露店の店主
迷宮都市ベニスの大通りで串焼きの露店を構える店主
頭に布を巻いた恰幅の良い中年男性
ベニスを初めて訪れた際に串焼きを購入した加藤に、狩人ギルド支部の所在地を教えた
・狩人ギルドの受付嬢
迷宮都市ベニスの狩人ギルド支部に籍を置く受付嬢
此の町の支部には三名の受付嬢が在籍しており、各人タイプは異なるが何れも人目を惹く整った容姿をしている
①ブロンドヘアで碧眼の女性 豊満なバストを誇る
②黒髪の釣り目で理知的な容貌の女性 長身である
③栗色の髪の垂れ目の女性 実年齢よりも幼く見える
底辺狩人の分際で組織が支給したギルドカードのみならず貸し出した臨時カードを粗雑に損壊し、衆目の前で股間の汚物をチラ付かせる加藤を蛇蝎の如く嫌っている
・赤毛の受付職員
迷宮都市ベニスの狩人ギルド支部に籍を置く受付職員
赤髪のちょっとくたびれた見た目の中年男性
受付嬢と比べて狩人達からの人気が無いので、普段は彼の前に順番待ちの列は無い
受付嬢に嫌われる加藤とは自然と言葉を交わす機会が増え、何時しかすっかり打ち解けた 親しくなった後は何くれと加藤の世話を焼くようになる
一体何処から情報を仕入れているのか定かでは無いが、下町で囁かれる下世話な噂話から上級貴族の秘め事まで網羅する事情通でもある
加藤がベニスを去る頃には、ギルド支部の中で彼が唯一心を許す間柄となっていた
・スエン
迷宮都市ベニスのスラム街で暮らす浮浪児
推定年齢12歳程度の少年
濃灰色の髪は妙に整っており、見るからに利発そうな容貌をしている
普段は手紙やメモ書きを人から人へ手渡すメッセンジャーのような仕事をしている
スラム街を訪れた加藤に対して、報酬と引き換えに町の情報を提供した※72話
また、併せて迷宮の魔物の情報を提供し、追加で報酬を受け取った
読み書きが出来る為、加藤が所持する迷宮の地図の解読を手助けした
ある時、魔物に攫われた弟ルエンを死なせてしまった事で激しい喪失感と自責の念に苛まれ、加藤を激しく憎悪する事で辛うじて心の均衡を保った※116話
その後も打ちひしがれた心を奮い立たせる為に、加藤への怒りと憎しみを必死で繋ぎ止めようとするが・・・
・ルエン
迷宮都市ベニスのスラム街で暮らす浮浪児
推定年齢6歳程度の男児で、スエンの実弟
普段は物乞いや残飯拾いなどで生計を立てている
迷宮 『古代人の魔窟』から辛うじて脱出したものの、飢えと渇きで殆ど餓死寸前だった加藤に命を繋ぐ水を分け与えた※93話
兄のスエンと共に迷宮『古代人の魔窟』の入口付近で物乞いをしていた際に迷宮内から這い出た魔物に急襲され、他の人々と共に迷宮の奥へと連れ去られた※107話
その後、迷宮の奥へと救出に向かった加藤に助け出されたものの、既にその小さな身体は致命的な損傷を受けていた
加藤の回復魔法による懸命な治療により奇跡的に意識を取り戻したものの救命には至らず、多臓器不全により死亡した※113話
・ルミー
迷宮都市ベニスのスラム街で暮らす浮浪児
推定年齢12歳程度の少女
金髪の乱れ髪は汚れて変色しており、また空きっ歯でお世辞にも容姿に優れているとは言えないが、常に快活で愛想が良い
普段は物乞いや残飯拾いなどで生計を立てている
スラム街を訪れた加藤に対して、報酬と引き換えに町の情報を提供した※72話
またその際に、加藤の財布を盗もうとして厳しい制裁を受けた
その後、加藤とは親しい間柄となり、短剣を使った上手な人の刺し方等を教わった
加藤がベニスを去る際、餞別として金貨三枚相当の現金を受け取った
振り向く事無く立ち去る彼の背中を見て、彼女は胸の内である決意をする
・ザガルカンドス(ザガル)
迷宮都市ベニスのスラム街で暮らす浮浪児
推定年齢12歳程度の少年 とある貴族の私生児で、幼い時分にスラムへ捨てられた
茶髪で浮浪児にしては体格が良く、非常に目鼻立ちが整っている
普段は物乞いや残飯拾いなどで生計を立てている
スラム街を訪れた加藤に対して、報酬と引き換えに町の情報を提供した※72話
普段は己を前に出す性格では無いが一本気で芯が強く、スエンやルミーの精神的な支えとなっている
加藤がベニスを去る際、餞別として金貨三枚相当の現金を受け取った
・スラム街の長老
迷宮都市ベニスのスラム街で暮らすホームレス 故人
元々は高名な学者であったが、友人に裏切られた末に此の町のスラムに流れ着いた
スラム街の生き字引的な存在であったが、加藤がベニスを訪れる1年ほど前に他界
スエン達に読み書きなどを教えた※97話
・スラム街の老人
迷宮都市ベニスのスラム街で暮らすホームレス
痩せ細って貧相な見た目をしているが、他のホームレスと比べると若干善人寄り
加藤が手にした見せ金の銀貨に釣られて、彼にスエン達の居所を教えた※97話
しかし加藤から支払われたのが銅貨であったので、性根が少し悪人側に傾いた
・茶髪の中年男
迷宮都市ベニスのポーター(荷物持ち)斡旋所の受付 推定年齢30代
・色白で細身なモヤシ男
迷宮都市ベニスのポーター(荷物持ち)斡旋所の受付
誰も組みたがらない蜥蜴人PTのポーター選びが難航して頭を抱えていたところ、都合良く未経験で頭が悪そうな新人ポーターが現れたので即座に押し付けた※73話
・禿げた中年男性
迷宮都市ベニスのポーター(荷物持ち)斡旋所の受付
迷宮『古代人の魔窟』から命辛々帰還した加藤から、リザードマンズとポルコの迷宮内での顛末に関する報告を受けた
・宿屋のおばちゃん
迷宮都市ベニスの狩人ギルド提携宿の受付
恰幅の良い中年女性
迷宮 『古代人の魔窟』から命辛々帰還した加藤の事を完全に忘却していた
彼女と顔見知りになると、安価で荷物の保管を引き受けて貰える
・宿屋の爺さん
迷宮都市ベニスの狩人ギルド提携宿の主人
・街の吟遊詩人
世を渡り歩く吟遊詩人の一人
良く響く声はソプラノボイスで、外見は細身の優男で地球基準でも容姿端麗である
迷宮都市ベニスの中央通りの道端で、迷宮『神々の遊戯場』の伝承を謡っていた
朗々と歌う彼は数多くの女性達に囲まれており、その様子を目撃した加藤は空しい嫉妬心を募らせた
・裂鱗の牙
迷宮都市ベニスにおいて短期間で急激に名を上げた、蜥蜴人4名から成る傭兵PT 傭兵ギルドに所属している
全員2mを優に超える巨躯を誇り、膂力は並の人族を圧倒する
素体でも強靭な筋肉と全身を覆う鱗により非常に頑強だが、更に皮鎧で武装している
見た目は非常に厳ついがリーダーは人族の言葉を話せる上、全員読み書きが出来る
伝説の戦士であり傭兵としても名高いとある蜥蜴人に憧れて、幼馴染である彼等4人は親族や周囲の反対を振り切って故郷の集落を飛び出した
その後、蜥蜴人に対する激しい種族差別に晒されるなど労苦を積み重ねつつも、互いに支え合い、傭兵としての腕を磨きながらベニスへと流れ着いた
ベニスのポーター(荷物持ち)斡旋所で加藤やポルコと出会う※73話、74話
その後、迷宮『古代人の魔窟』を探索中に、緋色目のハグレと遭遇してしまう
死力を尽くした抵抗の甲斐も無く、全員ハグレに惨殺され、捕食された
①蜥蜴リーダー
リザードマンズの頭目 剣士 獲物は肉切り包丁のような巨大な蛮刀
4人の中では最も小柄だが、同時に最も頭が良く腕も立つ
発音は拙いものの、人族の言葉を話せる しかもトリリンガル
緋色目のハグレにPTメンバーを全員惨殺された後、最後の力を振り絞ってハグレと交戦するも頭部を喰い千切られて死亡した※87話
②蜥蜴2号
蜥蜴リーダーを補佐するリザードマンズの副リーダー的な人物で、普段は非常に寡黙
身の丈を越える大盾と金属製のメイスのような打撃武器を備える
PTの中で最も大柄で、身長は2m半ばに達する
緋色目のハグレの胴体に現れた巨大な口に、上半身を喰い千切られて死亡※86話
③蜥蜴3号
PTにおける役割は不明 加藤の目算では、お笑い担当
得物は金属棒で、後に加藤の手に渡る
蜥蜴人には非常に珍しく、恰幅の良い体形をしている 要はデブ
一見すると常にボケッとしているように見えるが、意外と目敏い
緋色目のハグレの尻尾の先端の針から、劇毒を体内に注入されて死亡※85話
④蜥蜴4号
リザードマンズの斥候 剣士 得物は曲刀で、左腕には円盾を備える
手先が器用であり4人の中でも特に五感が鋭敏で、罠の察知や解除もこなす
但し、気配察知の能力は加藤が上回る
顔合わせの酒宴の際に酔った加藤に首を絞められたり殴られた事に怒りを募らせ、後の腕試しの模擬戦の際にはどさくさに紛れて加藤を殺害しようとした※81話
緋色目のハグレの巨大な腕に、上半身を握り潰されて死亡※85話
・ポルコ
迷宮都市ベニスのポーター斡旋所に籍を置く荷物持ち(サリサス)の少年
年齢16歳 身長は189cm オレンジに近い金髪で、優れた体躯に恵まれる
荷物持ちの経験は2年を超える
迷宮都市ベニス近郊の村の農家の三男であり、何時しか英雄になる事を夢見る
ポーター斡旋所で、加藤やリザードマンズの面々と出会う
その後、加藤と共にリザードマンズの荷物持ちとして随伴した迷宮『古代人の魔窟』において、不幸にも緋色目のハグレと遭遇してしまう
ハグレに惨殺される蜥蜴4号と重傷を負った蜥蜴2号の姿を目の当たりにし、パニックに陥ってその場から逃亡した※85話
その後、行方不明
・不幸な迷宮探索者のPT
ギルドから迷宮『古代人の魔窟』の調査依頼を受けた狩人PT
賭博で積み上がった借金返済の為、迷宮内の異変と周囲に漂う猛烈な異臭に気付きながらも強引に先へ進んでしまった愚かで不幸な連中
悍ましい怪物の巣と化した10層の元階層守護者の部屋で緋色の目のハグレと遭遇、為す術無く全員捕食された※91話
しかしながら結果的にハグレの気を引く囮となり、お陰で加藤は命を拾う事になった
・治療師
迷宮都市ベニスに在る治療院に所属する治療師の一人
薬師ギルドに所属している
迷宮 『古代人の魔窟』から命辛々脱出した加藤を診察し、体内の寄生虫を排除する為の虫下しを処方した※95話
・治療師の助手
迷宮都市ベニスに在る治療院に所属する治療師の助手
古風な地球のメイドに似た着衣を身に纏う
生きているのが不思議な程重篤な症状の加藤を治療院で更に調べようとする治療師に対して、速やかに治療院から放り出すよう密かに懇願した
その理由は、加藤が気色悪い寄生虫に冒されている事が判明した為である
・辺境の八英雄
今から二百年近く昔、大国エリスタルの大侵攻に対して辺境の数多くの国や都市、そして異なる種族を束ねて迎え撃ち、迷宮群棲国の建国にも尽力した八人の大英雄
絶望的な大侵攻に対して粘り強く耐え忍び、万難を潜り抜けて反攻を積み重ね、遂に撃退へと至る壮大な叙事詩は、辺境で活躍する吟遊詩人達の持ち歌の中でも最も人気を博す題目の一つである
戦後、英雄の一人であるモキチ=クラーダは蜥蜴人や獣人を始めとした少数種族の小国を対等な同盟国として、戦に参加した全ての国や城塞都市に認めさせた
その為、異種族を下等種と蔑む人族の中には彼を英雄の面汚しと罵り、八英雄ではなく七英雄と扱う者も数多い
・迷宮都市ベニスの領主
迷宮都市ベニスを統治する領主
迷宮群棲国では主要な都市の領主が何年かごとに持ち回りで君主となる為、現在のベニスの領主は一等貴族で王族扱いではあるものの、迷宮群棲国の君主では無い
市井の人々には狭量でケチな領主として知られおり、評判は芳しくない
原因は不明だが、近頃まるで大輪のアムネフィアの蕾の如く日ごとに美しさと輝きを増し始めた末娘のアリシス王女に対して、何時からか歪んだ愛情を抱く様になった
・迷宮都市ベニスの第一王子
ベニスの領主の長男であり嫡子
領主の嫡子としての修学に励んでいたが、末の妹であるアリシス王女が騎士の試練を乗り越え、更に数々の武勲を立てた事に触発され己も武芸に力を注ぐようになる
また、彼女に続いて騎士の試練を突破した稀有な王族の一人となった
騎士の試練を切っ掛けにアリシス王女との関係は改善したが、同時に胸の内で歪んだ愛情を育むようになる
・迷宮都市ベニスの第二王子
ベニスの領主の次男であり白皙の美丈夫
兄と共に王子としての修学に励んでいたが、末の妹であるアリシス王女が騎士の試練を乗り越え、更に数々の武勲を立てた事に触発され己も武芸に力を注ぐようになる
また、彼女や兄に続いて騎士の試練を突破した稀有な王族の一人となった
嘗ては庶子である末の妹に対して不快な思いを抱いていたものの、騎士の試練の凄まじい苦痛を経験し、己の弱さと狭量を自覚させられた事で考えを改めた
迷宮群棲国が南に国境を接する蛮族の国ウン・パジュシからの侵攻を受けた際は、一軍を率いて侵略者に対する討伐軍に参戦した※102話
父や兄が末妹に向ける歪んだ想いと欲念を察しており、ルイストや忠実な傍仕えと共に密かに彼女を護ろうと決意する
・アリシス=ヴァルハン=ディ=ウェネティ(アリシス王女)
迷宮都市ベニスの領主の五番目の娘で一等貴族 所謂王族である※103話
但し庶子である為、領主の継承権は三親等内でも最下位
身長176cmの長身であり、加藤と出会った時点で年齢は16歳
ウエーブの掛かったプラチナブロンドの髪とエメラルドブルーの瞳を備えた美姫
隔世遺伝により眉目秀麗と名高い種族である森人の資質が色濃く顕れており、稀有に整った容姿をしている
また、森人が長寿種である事から実は彼女も非常に長命であるのだが、非常に稀なケースである為彼女自身も含め其の事には誰も気付いていない
商家の娘として生まれ、幼い頃は市井の中で育てられた※閑話6 前
しかし母の死を契機に、領主の計らいで王城へと召喚された
王城では不遇な日々を過ごすも、高名な老騎士であるルイスト=ハンに師事してからは心身共に鍛えられ、遂には年若く女性の身で有りながら騎士の試練を乗り越えた
その後は戦場で数多くの武功を挙げた為、優れた容姿も相まって市井における評判は非常に高い
迷宮群棲国の他の都市が南の隣国ウン・パジュシに攻め込まれるなど不穏な世情の最中、彼女は領主から迷宮都市を騒がせる魔物である『ハグレ』の討伐を命じられる
そして迷宮『古代人の魔窟』へと足を踏み入れた彼女率いる討伐隊は、激闘の末に紫目のハグレを討伐し、見事任務を遂行したかに思われたのだが・・・その直後に緋色目のもう一体のハグレに襲われ、其の消息を絶った
付き従った部下を全て失い、迷宮の中で途方に暮れていた彼女だったが、そんな折彼女は偶然にも加藤と出逢う※108話
そしてハグレに攫われた一人の幼子を助け出す為、そして生きて地上に戻る為加藤と行動を共にする内に、次第に彼に心惹かれていった
無事に迷宮から脱出し、加藤と別れた彼女は有望な騎士を何人も死なせた責任を問われたものの、亡くなった部下の遺族に対する慰問を熱心に行い、また私財を投げ打って多額の弔慰金を仕度した為、糾弾の声は程無く沈静化した
その後の彼女は戦場で剣を振るう以外に興味を示さなかった其れ迄とは打って変わって、政治的な影響力を急速に拡げ始めた
辛うじて国境の外へ撃退した侵略者ウン・パジュシとの停戦交渉や、実現は困難と言われた迷宮群棲国と隣国間との軍事同盟の締結に際して一役を担い、血生臭い戦乱の嵐が吹き荒れる辺境の地に在って迷宮群棲国が比較的平穏な情勢を維持出来たのは、彼女の功績に依る所が非常に大きい
しかし奇しくも其れ等の出来事に伴い、今迄公な社交の場に殆ど見せる事が無かった彼女の姿が、毛の無いオブタッドなどと揶揄される迷宮群棲国の現君主を始め、貪婪な為政者達の衆目に晒される事になった
・ルイスト=ハン
アリシス王女の武芸全般の教育係であり師
嘗ては辺境に名を馳せた騎士であり、其の常軌を逸した戦いぶりから『破片の騎士』の二つ名で恐れられた
頭髪と髭は老齢により真っ白に染まっており、顔には無数の深い皺が刻まれている
領主の正室からの強い勧めにより幼いアリシス王女の教育係を命じられ、命に従って彼女を厳格に鍛え上げた
当初は事務的に彼女に鍛錬を施していたが、今では彼女を孫娘の様に想っている
ある時を境に鍛え上げられた自身の体格や肉付きを妙に気にし始めた彼女に対して、内心微笑ましく思いながら昔の伝手でとある人物を紹介した
迷宮都市の第二王子から密かに王女の護衛の提案を受けた際は、彼女には既に己の身を守る力は十分に備わっていると余り乗り気では無かったのだが・・・後に深い悔恨の念に苛まれる事になる
・アリシス王女の傍仕え
アリシス王女の身の回りの世話を任じられた年若い女性
彼女の事を深く敬愛しており、危急の際には彼女の為に己の身を投げ出す事も厭わない
不埒な思いを抱く迷宮都市の領主や第一王子よりも、舐め回す様に彼女を凝視していた毛の無いオブタッドと揶揄される迷宮群棲国の君主よりも、愛しき姫様が時折口にする名も知らぬ男に激しい敵意を募らせている
・アリシス王女の実母
迷宮都市ベニスで父親と共に小さな商店を営む平民
嘗て城で領主に貢物を献上した際、領主に見初められて妾の一人として召上げられた
その際に身籠ったのがアリシス王女である
己の妊娠を察した後に庶子である我が子の身を案じて王城を去り、出産したアリシス王女を商人の娘として市井の中で育てたが、彼女の成人を見届ける事無く流行り病でこの世を去った※閑話6 前
・アリシス王女の祖父
迷宮都市ベニスで小さな商店を営む平民
賭博により知己の商人達に多額の借金をしており、金銭と引き換えにアリシス王女の王城への召喚と親権の放棄に応じた※閑話6 前
また、本人には知らされていないが、受け取った金銭については今迄王女を大事無く育てた事に対する謝礼も含まれる
・アリシス王女の叔父
迷宮群棲国を拠点に活動する行商人
幼いアリシス王女や彼女の母親を気遣い、時折一家が営む商店を訪れて格安で商材を卸していた
アリシス王女の母親の死後、彼女の身柄を引き取って一端の商人に育て上げようと考えていたのだが、自分が不在の間に小さな姪っ子が城へ売り飛ばされた事を知り、激怒して父親をタコ殴りにした
・アリシス王女の姉
アリシス王女の4人の異母姉
領主の城に突如引き取られた卑しい庶子である末妹に対しては元々快く思って居なかったが、城内の多くの者が幼くも健気に貴族教育に励む彼女に心惹かれる様子を見て妬心に駆られ、苛烈な虐待を繰り返すようになる
そして遂には毒殺未遂の騒ぎを引き起こすが、その時は哀れな身代わりを差し出す事で事なきを得た
末妹が不気味な老騎士の手により化け物のように強くなってからは、報復を恐れて彼女から距離を取るようになった
・クリファ=ルゥ=クリシャス(イケメン近衛)
迷宮都市ベニスの領主を守護する近衛騎士の一人
濃い金髪と、鋭く輝くエメラルドグリーンの瞳を備える精悍な面構えのイケメン
頑丈そうな白銀色の金属鎧と高級感溢れるマントに身を包んでいる
名門貴族の子息であり、アリシス王女の婚約者候補の一人とも噂されていた
アリシス王女に強く恋焦がれており、迷宮『古代人の魔窟』において行方不明となった彼女の救出隊を募る呼び掛けを耳にした際には、領主の許しを得て直ぐさま馳せ参じた
腕は確かだが生死を賭ける程の実戦経験には乏しく、心根は非常に臆病である
その為、彼が率いる事になったアリシス王女の探索行は遅々として進まなかった
その後、迷宮『古代人の魔窟』から彼女を救い出した英雄は表向き彼となり、その為に一時都市内では様々な憶測が飛び交う事になった
またその事を契機に、日増しに輝きを増すアリシス王女に対して時折異常な執着を見せるようになった
・ギュー=グー=グー=ギュー=クー=キュオー
アリシス王女と謁見した蜥蜴人の使者
・狩人ギルドのハグレ討伐隊
迷宮都市ベニスを騒がす特異な魔物『ハグレ』を討伐する為に、都市の行政府からの依頼で結成された狩人ギルドの討伐隊
編成は3級狩人1組と4級狩人2組の3PT+ポーター数人による合同の討伐隊
勇ましく迷宮『古代人の魔窟』へ乗り込んものの、返り討ちに遭って敢え無く行方不明となった※100話
・迷宮都市のハグレ討伐隊 第一陣
迷宮『古代人の魔窟』における魔物災害の元凶であり、迷宮都市ベニスを騒がす特異な魔物『ハグレ』を討伐するために編成された討伐隊
ベニスの第五王女であるアリシス王女を筆頭に、戦闘要員が5名 その他10名の総勢25名から成る
迷宮『古代人の魔窟』に乗り込んで紫目のハグレを激闘の末に討伐するも、その後間も無く行方不明となった
・三名の熟練騎士
迷宮都市ベニスの守護隊に所属する騎士達
守護隊の中でも特に腕が立ち、また職務に忠実である
ベニスの領主の命でアリシス王女率いるハグレ討伐隊に与力する事になった
迷宮『古代人の魔窟』において緋色目のハグレに襲われた際、アリシス王女を逃がす為に絶命した
・アリシス王女の護衛騎士
アリシス王女の取り巻きの一人
迷宮都市ベニスの貴族に連なる武門の名家の三男で、容姿端麗な騎士
但し、嘗て騎士の試練に挑んだ際には激痛に耐えられずに早々に降参した
元々は城を守る衛士であったが、領主の命でアリシス王女の護衛の任に就いた
アリシス王女に率いられてハグレ討伐隊の第一陣に参戦したが、緋色目のハグレに襲われた際に身を挺して彼女を庇い、自らは囮となってハグレに捕獲された
瀕死の状態でハグレの巣に連れ込まれた彼は其のまま失血死してしまい、後に変わり果てた姿でアリシス王女に発見された
・迷宮都市のハグレ討伐隊 第二陣
討伐隊第一陣の唯一の生存者であるアリシス王女救出後、更なる人的被害を経て再び編成されたハグレ討伐隊 総勢は12名で全員が戦闘要員である
二つ名を冠するような著名人や南方の戦場、北方の守護に向かった騎士達を除き、迷宮都市を守護する部隊の中で最も腕が立ち、実践経験豊富な者達が選抜された
迷宮『古代人の魔窟』の10層目で緋色目のハグレを迎え撃ったものの、死力を尽くした激闘の末に敗れ去り、物陰から観戦する加藤の前で全滅した※123話
①甲冑姿の前衛
身長2mを越える4名の巨漢で、全員揃いの厳ついフルプレートで身を固めている
また、背には身の丈を越えるサイズの巨盾を担いでいる
得物は身の丈程もありそうな大剣で、此れ等の装備は並の人間ならば身に帯びただけで身動きする事すら困難である
部隊の前衛として緋色目のハグレと正面から果敢に殴り合い、また戦闘中に背後から襲い掛かって来た青目のハグレを討ち取るも、最後は力及ばず全員死亡した
②巨漢のアタッカー
半裸の巨漢で、得物は巨大な戦槌
部隊のアタッカーとして緋色目のハグレと正面から果敢に殴り合うも、背後から青目のハグレの奇襲を受け、身動きが取れなくなった所を緋色目に上半身を喰い千切られて死亡した
③魔術師
皮鎧で身を固め、杖のような得物を手にした3名の魔術師
彼等は個の魔術師として非常に優秀な上、互いに協力して一つの強力な魔法を放つ事も出来る
殆どの一般的な魔術師は他者と合力して一つの魔法を行使する行為を酷く嫌う為、軍属の魔術師ならではの高等技術と言える
緋色目のハグレに対して強力な魔法を行使するも強靭な外皮に阻まれ効果が薄く、魔力の枯渇で疲弊した所を青目のハグレの奇襲を受け、2名が死亡した
その後間も無く、緋色目のハグレに残りの1名も食い殺された
④呪符魔術師
希少な呪符魔術の使い手であり、しかも鍛冶師のトト親方と同じくリリュアルシュトゥトス(トワーフ)族である
緋色目のハグレとの戦闘では遊撃手として奮戦するも、並の戦闘の数倍の枚数持ち込んだ呪符が枯渇してしまい、撤退しようとした所を背後から叩き潰されて死亡した
⑤斥候
男性と女性の2名構成
女性の斥候は武門の貴族の令嬢で、ゴリラーズの一人の許嫁
緋色目のハグレとの戦闘では遊撃手として奮戦するも、女性の斥候は危機に陥った許嫁を身を挺して庇い、ハグレの巨躯にプレスされて諸共即死した
その後、男性の斥候は逃走を試みたが、ハグレの尾に身体を貫かれて死亡した
⑥薬師
2名構成で、背に様々な薬品を収納した巨大な木箱を担いでいる
ハグレの討伐に際して与力を承諾した薬師ギルドが派遣した薬師で、知識と戦闘経験共に豊富な非常に希少な人材
緋色目のハグレとの戦闘では後衛として奮戦するも、背後から青目のハグレの奇襲を受けて1名が死亡、彼等が辛うじて支え続けた戦線が其の事を引き金に崩壊した
その後、残った1名も緋色目のハグレに敢え無く磨り潰されて死亡した
・狩人ギルド職員
迷宮都市ベニスの狩人ギルド支部に籍を置くギルド職員
加藤との直接的な面識は殆ど無い
アリシス王女が迷宮『古代人の魔窟』で行方不明になった報せが齎された日
加藤を支部の尋問室へと連行した※106話
・狩人ギルド職員Ⅱ
迷宮都市ベニスの狩人ギルド支部に籍を置く女性のギルド職員
加藤との直接的な面識は殆ど無い
豊満な身体をしており、顔立ちも素朴な感じで中々可愛らしい
同僚の赤毛の職員に迷宮外でのハグレ襲撃の報せを持ってきた※106話
・狩人ギルド幹部
迷宮都市ベニスの狩人ギルド支部に籍を置くギルド職員
面長で神経質そうな容貌をしており、異界の人間には珍しく眉の手入れしている
加藤と親しい赤毛の職員の上司でもあるが、持ち前の性格の悪さから部下達から非常に嫌われている
アリシス王女が迷宮『古代人の魔窟』で行方不明になった報せが齎された日
加藤をギルド支部の一室に連行して尋問した※106話
・饅頭屋のおばちゃん
迷宮都市ベニスの露店では無く、若干高級なパオシュ屋店舗の女性店員
ボロボロの不潔な身なりでしかも半裸同然の加藤が突如来店した為、慌てて販売を拒否して全力で追い払おうとした※98話
しかし何故か突如脱ぎ始めた変態に心を折られて、結局パオシュを売り渡した
・怪し気なババア
迷宮都市ベニスの路地裏の露店で魔石を売る怪し気な老婆
加藤に高レートでの魔石の換金話を持ち掛けた
・更に怪し気なババア
迷宮都市ベニスのスラム街の路地裏で汚い露店を開いていた怪し気な老婆
リザードマンズの蜥蜴4号が所持していた毒煙玉を販売していた為、加藤は値切り倒した上で全て買い占めた
・仕立て屋のおばちゃん
迷宮都市ベニスの仕立て屋の女性店員
店舗を訪れた加藤の身体を採寸して、平服を受注した
・武器屋の店主
迷宮都市ベニスの武器屋の店主
白髪交じりの灰色の髪で髭面の中年男
推定2mくらいの巨漢で、身体は強靭でブ厚い筋肉で覆われている
また、戦傷らしき傷跡により片目が塞がっている
・陰気そうな店員
迷宮都市ベニスの武器屋の店員
客対応が面倒なので、声を掛けて来た加藤の事をアジョカに押し付けた
・アジョカ(金パツ店員)
迷宮都市ベニスの武器屋の店員
武具をこよなく愛する金髪の陽気な青年であり、武器屋の店主の甥でもある
嘗ては店主の伝手で高名な鍛冶師であるトト親方に弟子入りし、見習い鍛冶師として腕を磨いていた
ところが店の後継ぎである店長の息子が病死してしまい、また悲嘆に暮れる店主に請われた為、代りに叔父である店主の後を継ぐべく親方の下を去った
武器屋を訪れた加藤に黒鉄の槍と穂先を保護する布、予備の短剣、武器のメンテナンス道具を販売した※99話
またその際に加藤と意気投合した結果、鍛錬の場として加藤に奇岩(茸岩)地帯を紹介したり、試作品の盾を格安で融通した
・防具屋の店員
迷宮都市ベニスの防具屋の店員
商品に色々と注文を付ける加藤を生意気に思い、店主に黙って彼の要望を片っ端から全て断った その為、加藤と口論になり、結果として素気無く店から追い出した
・神々の遊戯場の衛兵
迷宮『神々の遊戯場』の出入口を守る迷宮都市ベニスの衛兵の一人
彼が当直のとある日、不審な男が突如として大量の吐瀉物を周囲に撒き散らした為、激しい怒りと共に不埒者の捕縛を試みた※102話
しかし尋常では無い逃げ足の不埒者に、為す術無く逃げられてしまった
その為上司からの怒りを買い、付近の清掃と併せて減俸処分を言い渡された
憎い不埒者の姿は、今でも彼の脳裏に鮮明に刻み付けられている
・トト=アングリッド(トト親方)
迷宮都市ベニスの職人街に工房を構える都市内でも指折りの鍛冶職人
鍛冶師ギルドに所属している
リリュアルシュトゥトス(トワーフ族)であり、人族とは外見が異なる※118話
①背丈が低く、身長が加藤の胸元辺りまでしか無い
②横幅は広く、筋骨隆々である
③髭は無く、体毛が薄い
④頭部には申し分程度の毛髪しか無い
⑤肌が異常に白い
⑥眼球が異常にデカい
年齢は推定40絡みで、藍色の分厚い作業着を身に纏っている
王族の紹介状を持参した加藤の依頼を受け、意気揚々と打倒ハグレに用いる化け物槍を製造した※124話
トワーフ族は総じて非常に寡黙な種族だが、彼は例外的に饒舌な人物である
但し、ある程度気を許した相手にしか饒舌になる事は無い
トワーフに有るまじきコミュ力のお陰か、鍛冶師(職人)ギルド以外にも革細工ギルドや服飾ギルドなど、他のギルドにも顔が広い
ハグレ討伐後は好感を抱いた加藤の専用装備を採算度外視で受注し、久方振りに全身全霊を込めて珠玉の一振りを鍛え上げた
・小坊主
迷宮都市ベニスの高名な鍛冶職人であるトト親方の内弟子の一人
太い眉と頭部は禿なのか剃っているのか定かで無い丸坊主が特徴的な見た目で、親方とは色違いの厚手の作業着を身に纏っている※117話
対ハグレ用の装備を依頼した加藤が一カ月程工房に通う内に、互いにすっかり打ち解けた※119話
服飾ギルドの娘と良い中であり、デート代を工面する為に高価な魔法の棍棒を親方に黙って加藤に貸し出すなど、見た目に依らず蛮勇を有する
異界人(女性)と地球人とで異なる身体構造の可能性に思い至り、煩悩との狭間で思い悩む加藤に対して、此の世界の男女間の生の性知識を齎した大恩人
加藤の頼みを聞き入れ、大山脈越えの為の各種登山ギアを格安で製作した
・ゲートの衛兵
迷宮『古代人の魔窟』の入口付近に在るゲートを守る衛兵
加藤が『古代人の魔窟』に何度も出入りする内に顔見知りになった※119話
危険な仕事の割に給金が安いと加藤にボヤくが、本来は非常に安全な配属である




