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シルフィーは悪役令嬢ですが、何故か溺愛されてます  作者: ちぇしゃ
第4章

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074、細かく決めていきましょう




「『森のうさぎカフェ』って決まったけど、もう少し詳しく決めていく必要があるな」


 とクラス委員長が言ったので、授業時間を使って決めていく事になりました。……決して授業をさぼっているわけじゃないからね!ちゃんと学園祭準備っていう名目だから大丈夫だよ!ちなみにジェイド先生は「しっかり者が多くて先生は楽だー」と言って、椅子に座って足と腕を組んで寝ています。研究がおつかれなのかな?本当はだめだけど、皆も気にしていないみたいだからゆっくり休んで下さい。……いや、やっぱりだめだよね?


「具体的に決めるのはまず、どんなものを売り出すかだよな」

「そうだね。内装とかを決めていかないといけないかな」

「予算も考えていかないと」


 おぉう。考えることがいっぱい。学園祭の雰囲気って準備期間は初めてだけど、結構楽しいね。勿論本番も楽しいだろうけど、準備期間って、わくわくって感じ。でも、私は一般人がいいです。率先して皆を引張って行くなんて無理。どうしてもやらないといけない時はやるけれどね。でも、今のこのクラスはしっかり者が多いから私は楽です!


 でも、本当に決める事多いなぁ。委員長が全部まとめるのは大変そう。このクラスにもリーダーとか会計みたいな人を作った方がいいかも。


「このクラスでも、役員みたいなのを決めておいた方がいいかも」

「!」


 リシュー、あなたはやっぱりエスパーです。私が言おうと思っていた事をあっさりと言ってしまった。ナイス。リシューにはエスパーの称号を与えましょう。


「確かにその方がいいかも。全部委員長が担うのは大変だろうし」

「あぁ、その方がありがたい」


 クラスメイトも委員長もそう言いました。流石このクラス。結束力すごい。私が言わなくても察してくれるリシューもすごい。


「となると、会計はいるでしょ?後は、衣装、内装、売り物のリーダーをそれぞれ決めておいた方がいいかも」

「うん、僕もソフィアに賛成」


 さくさく決まるなぁ。私の出番ないなぁ。ぼーっと過ごすのもありですね。


「計算得意だから会計は私がやってもいい?」

「ええ、是非お願い。あ、委員長は会計補佐と全体のまとめ役をお願い」

「了解」

「じゃあ、衣装のリーダーは私がするわ。家が衣装店だから少しは役に立つかも」

「それなら俺はケーキ屋の息子で俺も作るの得意だからそっちのリーダーするよ。いいか?」

「お願いします」


 うん。サクサク決まる。ジェイド先生の事、何も言えなくなるくらいぼーっとしてる。あ、ジェイド先生で思い出した。光るインクは買った次の日の朝にちゃんと持っていきましたよ?そうしたらおいしいマドレーヌを頂きました。得をしました。ラッキーです。


 と、話はずれましたが、ちゃんと決まったようです。衣装、内装、売り物で皆がリーダーを中心に別れるみたいです。私は売り物班になりました。リーダーとか間に合ってます。一般人さいこー。ちなみに、リシューは内装、ソフィアは衣装みたいです。皆バラバラだけど頑張ろう。

 自分の得意な事を活かしていけるのっていいよね。今までクラスメイトのあの子が計算得意だとか、衣装店、飲食店の子どもだったりとか知らなかったもん。友達を知るきっかけにもなってる。これを機会にもっと仲良くなれるといいな。

 




「じゃあ、この後はそれぞれのグループに分かれて大まかに決めていこう」

「「「はーい」」」





 という訳で、今は売り物班で集まってます。売り物班のリーダーはジョシュア君。平民みたいだけど、このクラスにいるって事は頭がいいという証拠。しかも、貴族が沢山いる中でこんなに活躍出来るなんてすごい。


「無難なのが紅茶とかコーヒーかな」

「いいと思うよ。紅茶とコーヒーを少しずつバリエーションを持たせれば十分だと思う」


 良かった。絶対コーヒーが飲めない人はいるから紅茶はいるもんね。コーヒー飲めないのが誰とは言わないけど!


「あ、あとね、ジュースもあった方がいいかも!小さい子どもが来るかもしれないから」

「確かに。シルフィー、ナイス」

「えへへ」


 褒められちゃった。


「じゃあ、次は食べ物だな。衣装は注文可らしいけど、生物の飲食物は自分たちで作らないといけないみたいなんだ。出来上がったものを買ってそのまま出すのは焼き菓子とかになるかな。数年前問題が起こったみたいで」

「問題?」

「学園に運んでいる途中に暑さにやられたみたい」

「ひぇ」

「逆に考えたら、細かい所まで自分達で好きなようにデザイン出来るって事だな」

「おぉ」


 ジョシュア君なんてポジティブなの。そういう人好きよ。それにしてもケーキ腐っちゃったのかな。もったいないな…。どこにでもそういう問題あるんだね。前世ではそういうのあったら結構テレビとかで放送されている所もあったけれど、ここにはそんなものないから広まらないもんね。でも数年前かぁ。アル様達の時大丈夫だったのかな?大丈夫だといいな。





「『森のうさぎカフェ』に合いそうな食べ物って何だろうね」

「うーん。あ、苺は使いたいかも」

「ジョシュア君のケーキ屋さんではどんなものが人気なの?」

「そうだなぁ、やっぱり、チョコとかチーズかな。定番の苺のショートケーキも人気だよ」


 でもそういうのって、美味しいけど今回のカフェのテーマには……。うーん。難しいな。前世でいうと、木の枝みたいなチョコレートが使えるんだけど………、ん?木の枝……?そういえばそんなロールケーキがあった気が…。なんて言ったっけ?えーっと……。


「ぶ、ぶー、……、ぶっし…?」


 うーん、思い出せない…。


「しゅー、うど…?」

「ブッシュドノエルの事言ってる?」

「ふわぁ!」


 び、びっくりしたぁ。下を向いて考え込んでたら、ジョシュア君が目の前で覗き込んでいた。……………、


「あ、そうそれ!」


 びっくりしすぎて忘れてた。あってるあってる。


「シルフィー、よく知ってたな」

「ジョ、ジョシュア君こそ…」

「俺はケーキ屋の息子だからね。冬になると人気なんだよ」


 い、言えない。前世の知識とは言えない。というか、この世界にブッシュドノエルがあってよかった。無かったら、本当に何言ってるの?って感じだったもんね。


「でも、確かに。ブッシュドノエルって今回のカフェのイメージに合うかも!」


 ジョシュア君は納得していたけれど、他の班員はぼーっとしてる。さっきまでの私みたい。


「あのー、ブッシュドノエルって……?」

「あ、そっか!えーっとね」


 そっか、ブッシュドノエルって冬のイメージだったから、全員が知ってるわけじゃないもんね。

 それを知ってか、ジョシュア君は紙にサラサラ―っとブッシュドノエルの絵を描き始めた。ていうか、絵上手!すっごくうまい!


「ほら、こんな感じのケーキ」

「え、凄い!いいじゃん!」

「可愛い!」


 おぉ、人気!良かった良かった!


「これって、木の枝をイメージしたお菓子だよね?なら、うさぎや猫をイメージしたものとか、森をイメージしたものはどう?」

「いいと思う!」

「賛成!」


 この発想力の良さには驚きです。クラスメイトさんは凄いです。上手くいきすぎて怖いってこの事ですかね。

 これで決定でいいんですかね?あ、いいんですね。

 ケーキの細かい部分はデザインとか予算を考えながらジョシュア君が案を出してくれるそうです。本当にありがたい。





「せっかくならお皿とかも森みたいに可愛いのがいいなぁ」


 思わずぽやっと呟いたら、班員がみんなこっちを向いてきた。


「ひぇ」


 び、びっくりした。見られるの苦手なんだよぅ。


「確かに。皿やカップの事まで考えきれてなかったなぁ」

「よくきづいたね」


 ま、また褒められてる。


「それなら内装とも合わせたいな」

「だね、ちょっと内装と相談してくる」

「お願い」


 班員の一人がリシューの内装班に話を持って行ってる。話が盛り上がっている所を見ると、賛成なのかな?それを横目にもう一度話に交ざる。


「後、クッキーとかも用意してみる?座って食べる用じゃなくて、買って帰る用に」

「あ、いいかも」


 持ち帰りかぁ。会計の所に置いておいたらいいかも。そうしたら、買っていってくれる人もいるかも。あと、クッキーなら作らなくても注文出来るもんね。


「あのね、クッキーがすっごく美味しいお店があるの!」


 勿論この間ソフィアと行ったクッキー屋さんですよ。お婆さんのクッキーすっごく美味しかったもんね。


「いいね!他のお店も候補出してみて、今度皆で食べてみてから決めようか!依頼を受けてくれるかも聞いてみないとね」


 確かにそうだね。沢山注文する事になるから注文を受けてくれるか聞いてみないとね。受けてくれるといいな。


「じゃあ、取り敢えず、今日の所は飲み物が決まって、ケーキのデザイン案は俺が考えてみる。持ち帰り用のクッキーは後日お店に確認しながら検討するって事で!」

「「「はーい」」」






もし、少しでもこの小説をいいなぁって感じたら、☆☆☆☆☆を★★★★★にしてもらてると、すっごく嬉しいです!

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