表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四大美女と完璧イケメンとその親友  作者: 星宮 誠二
夏休み
40/82

澪とのデート(中編)

結衣と別れた後、俺たちはバスに乗り隣町の巨大なショッピングモールに来ていた。


「わぁ・・・。すごい賑わいだね。」


「あぁ、見てるだけでも疲れそうだな。」

ショッピングモールに着いた俺たちの視線の先には夥しいほどの人がいた。子供の元気な声が響いているから家族連れが多いのかな。


「まっ、さっさと用を済ませようぜ。」


「うん。それと、はいこれ。」

澪からは開いた右手が差し出された。


「・・・なにこれ。」

俺は意味が分からず、オウム返しに聞き返す。


「手、繋ご?」


「はぁ!?」

予想の斜め上をいく誘いに俺は耳を疑った。


「迷子になったら大変でしょ。」


「いや、だからって手を繋ぐ必要はないと思うんだが?」


「・・・もし万が一にもはぐれちゃったら私どうなるんだろうね。」

澪は意地の悪い笑みを浮かべながら上目遣いにこちらを覗いてくる。


「そんなの連絡を取ればすぐに済む話じゃ・・・。あっ。」

話している途中で澪の話の意図に気付いた。


説明すると、「はぐれたらまたナンパされちゃう可能性があるけどいいの?」と言っているのだ。こいつめ、俺が断れないのを分かっていってやがる。


「・・・ほら。」

また、澪を危険な目にあわせるのもあれなので俺は顔を逸らしながら左手を差し出した。


「・・・えっ?」

当の澪はなぜか驚いていた。


「えっ、ってお前がそう言ったんだろうが。」


「まぁ、そうなんだけど本当に繋いでくれるとは思ってなかったから。」

澪は恥ずかしながらもおずおずと俺の手を握った。澪の手は小さくて、柔らかくて、強く握ったら折れてしまいそうなほどだった。


「・・・っ!」


「・・・。」

ふと、目が会うとお互い恥ずかしくなって視線を逸らした。普段の俺ならば「どこのカップルだよ。」と突っ込んでいたのだろうが今の俺にはそんな余裕はなかった。


「行くぞ。」


「うん。」

俺たちは言葉短めにその場を離れた。



「・・・いくらなんでも買いすぎじゃないか?」

そういう俺の手には澪の手ではなくたくさんの紙袋がぶら下がっていた。


「そうかなぁ。」

澪は俺の隣をうれしそうに歩いている。大分、ご満悦のようだ。


「時間もかなり経ったしそろそろ昼ごはんにするか?」

時刻を確認するとすでに1時を回っていた。


「そうだね。休憩がてらご飯食べよっか。」

ご飯を食べる場所は決めているのか澪は俺の腕を引っ張った。俺もされるがままに連れて行かれた。



「いいところだな、ここ。」

俺は店の椅子に座ってコーヒーを飲みながら感想を言った。


澪に連れられて着いたお店は外の景色を一望しながらゆったりご飯を食べれるお店だった。


「でしょでしょ?前々から来たいと思ってたんだよ。」

澪も外の景色を見ながらホットケーキをおいしそうに頬張っていた。


「今日は付き合ってくれてありがとね。」

ホットケーキを食べ終えた澪は急にそんなことを言い出した。


「別に大したことじゃねぇよ。」

俺は素直にお礼を言われたのが恥ずかしくて適当に返した。


「そうなの?なら、この後もたくさん付き合ってもらおうかな?」

澪はまたしても意地の悪い笑みを浮かべながら俺の顔を覗いてくる。


「・・・任せろ。」

俺は頬が引きつるのを何とか抑えながら答えた。


「あははっ、冗談だよ。買い物はもうすんだから大丈夫。」


「そうか、ならよかった。」

澪の冗談にちょっとイラッと来たもののその後の言葉を聞いて安心する。


「・・・でも、その代わりに少し付き合ってもらいたい場所があるんだけどいいかな?」

そう言う、澪の表情からは真剣なのが見て分かった。


「あぁ、構わない。なにしろ今日は『デート』だからな。」

俺の言葉に澪はしばらくきょとんとした後、うれしそうにはにかんだ。



「まさか、翔斗君の口から『デート』なんて言葉を聞く日が来るとは思わなかったよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ