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四大美女と完璧イケメンとその親友  作者: 星宮 誠二
一学期
27/82

計画(第2段階)

藤本からあの依頼を受けた週の終わりに俺たちは淳・澪・俺・藤本の4人は出かけるために集まっていた。


「今日はどこに行こうか。」

お嬢様の時と違いデートとはいっても特にどこか行きたいところもないのでこの後、どうするのか話し合っていた。


「先輩方に行きたいところがないのなら個人的に行ってみたいところがあるのですがいいですか?」

藤本がこの場を何とかしようと提案を持ち掛けてきた。


「俺は別に構わないぞ。」

俺の返事に続いて淳と澪も「僕も。」「私もだよ。」と続いた。


「それじゃあ、ついてきてください!」

俺たち3人は言われるがままに藤本の後ろをついて行った。



「ここです!」

5分ほど歩いてついた目的地は駅近くの映画館だった。


「映画館か。何かみたいのでもあるの?」

淳が尋ねると、藤本はいつの間にかバックから取り出したのか俺たちの目の前でパンフレットを広げた。題名はこうだった。


『いつか君を必ず見つけ出す。』

そう書いてあった。題名から察するに恋愛系の映画だろうか。


「あっ。この映画、今まさに大人気のやつだ。」


「そうなのか?」

澪の呟きを俺は聞き逃さなかった。


「うん、何度見ても泣けるって人気だよ。」

澪は興奮した様子で解説してくれた。おそらく澪も見たかったのだろう。


「自分で見ようとは思わなかったのか?」


「見たかったんだけど、予約がいっぱいでね諦めたんだ。そういえば、藤本さんはどうやってチケットをゲットしたの?」

藤本が4つのチケットを持っているのを不思議に思ったのか澪は藤本に尋ねた。


「これはですね。高校の友達と本当は行く予定だったんですけど他の3人が急にいけなくなったらしくてせっかくのチケットなので先輩方を誘ってみたという次第です。」

藤本は特に迷う様子もなく淡々と答えた。


「まぁ、細かいことはいいだろ。早く行こうぜ。」

もう夏になったためか外は十分すぎるほど暑いので俺はさっさと中に入ろうと促した。


「あっつ・・・。」

映画館内に入った俺の第一声がそれだった。


「確かにこれは暑いね。」

淳も額から汗を流しながら俺の言葉に同意した。


映画館内は人であふれかえっていた。どこを見ても人ばかりで正直、嫌になるレベルだ。


「先輩方、こっちですよ!」

声のした方向を見ると藤本がチケットを確認するところで大きく手を振っていた。


「行こっか。」

澪の声は先ほどの興奮した様子とは違い少し疲れたような感じの声色だった。



それから約2時間後、俺たちは映画のエンディングを眺めていた。藤本と澪は感動したのか声を押し殺して泣いていた。映画の内容はこうだった。


1年周期で記憶をなくしてしまう青年が差出人の名前がない手紙を頼りにその手紙の差出人を探す。というものだった。結末としては、最終的にその手紙の差出人の少女を見つけ出しこれからも共に歩んでいくハッピーエンドになっていた。



「それじゃあ、私はここで。今日はありがとうございました。」

駅の前で藤本はそう言って駅内に消えていった。


帰り道で澪と淳は楽しそうに映画の感想を言い合っているようだ。俺はそれを静かに眺めていた。

ハッピーエンドの映画を見ていることは俺にとっては苦痛だった。なぜなら俺は・・・




すでにあいつらがハッピーエンドではなくバッドエンドになることを俺がよく知っているからだ。

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