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ヘタレの努力家  作者: りばーしゃ
第2章 王都〜ミーション〜
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ぎらぎら

Q:作者は夜の怪しい雰囲気のお店行った事あるの?


A:基本有りません。進入社員歓迎会の時にキャバクラ連れてかれましたが逆セクハラされながらウーロン茶ちびちび飲みながら小さくなってました。


それ以外怖いので行きたいとは思いません。


あの雰囲気が苦手です。


ヘタレ?おうともさ。




「でー。このギラギラド派手で目障りな看板が美味い店だ」



「うわネオンびっかびかじゃん。危ないお店かよ」




「昼間なのに……びかびか」




「ふにゅ」





 ファウストさんを頭に乗せたラデンさん等に案内されたのは夜の街にありそうなピンクと水色を基準にしたネオンギラギラのお店だった。


 お店の外見はまんま洋風な夜のお店。


 三者三様な感想が出てくる中、とてもド派手な看板には【ナージ語】に俺でも分かる日本語で〝こうしょくてい〟とふりがながされている。


 〝幸食亭〟だろうか?それとも〝好食亭〟だろうか?


 当て嵌まる漢字はともかく店から漂ってくる美味しそうな匂いは飲食店で間違い無さそうだ。


 電気代がとてもかかりそう……


 というか魔力か?何にせよこのド派手な看板にはそれに準ずる魔道具やら魔法が施されているのだろう。




「あははは。やっぱりみんなそんな感想だよね。このお店の店長の趣味でね。まぁ味はこの国随一だから安心して」




「とりあえず案内ありがとうございます。というかお腹の限界なので突撃しますわ……」




 魔王の雄叫びよろしく長く低いお腹の音を響かせながらラデンさん等に礼を一つ。




 店長の趣味ねぇ……まさか……あ、いかん、そういえばコレを渡しておこう。




 ふと思い出しそうな人物をひとまず置いといて、ごそごそりとポケットに入れていた〝アレ〟を取り出し、ラデンさんに見せる事にする。




「ん?コレは?」




「手錠…か?」




「ルギくんと出会った時に付けられていた〝手錠〟の残骸です。何かの役に立つかと思って取っておきました。一応解決はしたのでラデンさんに渡しておこうかと」




 そう、〝アレ〟とはルギくんの付けられていた手錠の残骸だ。


 奴隷商の持ち物ならば探す為の足掛かりとなる筈。


 ルギくん村の件はとりあえず何とかなったし渡すならば今だと思った。




「……なるほど。ならコレはギルドで調べさせてもらうよ」




「…この形……まぁ、良い。証拠品ありがとよ。それじゃあ俺等はここで失礼するぜ。カミさんの飯が待ってるからな」




 堂々と言うファウストさんカッコよす。


 ん?ラデンさんも?




「僕も〝奥さんと子供〟が待ってるから失礼するよ。お腹いっぱい食べておいで。それじゃあね」




 ファウストさんを頭に乗せたままひらひらと手を振ってラデンさんがその場を後にする。


 が───しかし俺の思考は別の事に衝撃を受けていた。




「〝妻子持ち〟───だと…!?」




 何という事でしょう。


 ラデンさん、妻子持ちだった。


 俺は今日で何回の衝撃を受けるのだろうか。


 もはや衝撃のバーゲンセール。安いよ安いよ!




「兄ちゃん、早く入ろうよ」




「にゅっ!!ふにゅっ!!」




「お、おう。今行く──引っ張るな引っ張るなシラタマ。アホ毛さんを引っ張るな」



 大きなかぶよろしく「めしっ!早よ!!」とシラタマが俺のアホ毛をうんとこしょ、どっこいしょ。


 アホ毛さんが引っこ抜かれる前にお店へと入ろう。


 それにしても妻子持ちだったか……


 何とも言えぬ気持ちのまま、内開きのドアの鈴の音が軽やかに響くのだった。








「あまねく古き力よ。我が罪を許し給へ……」




 仄暗い、僅かな光が差し込むステンドグラスの前で真っ黒なローブを被った人物が膝を着きながら祈りを()う。


 此処はとある忘れ去られた教会の一つ。


 エッジの効いた、深みのある男性の声がステンドグラスから辺りへと響いた。


 祈るその両手に刻まれるは経文だろうか、文字の羅列がびっしりとその両手を埋め尽くす。




「また祈っているのか。【例の男】に」




 その様子を見ていた一人の男。


 並べられた椅子の一つに寄りかかりながらそのローブの者へと呆れた声をかけた。




「愚問。あのお方は我が生きる理由。我が鼓動の存在理由だ。貴様もその変わったローブを脱ぎ捨て我が(かみ)の言葉を刻んだ服でも着るが良い」




「お断りだ。こっちは万物が神なんだよ。あとローブじゃなく袈裟けさな。生憎あいにくおいはその男の事をあまりしらねぇって言ったろ」




 この世界に来る前から着ているこの服。


 前の世界に未練は無いが着慣れた物の方が何かと動き易い。


 それに……〝知り合い〟に会える確率も高くなる。


 かのような理由で男はその法衣を着続けていた。




「ふふふ。そうだったな。用件はなんだ」




「そろそろおいの修行に手伝って貰う時間だろう。忘れてもらっちゃあ困る」




「もう暫し待て。聖霊共が騒がしいのだ。〝何処か〟で何かがあったようだ」




「へぇ?珍しいな。〝聖霊〟なんて御伽話(おとぎばなし)かと思ってたぜ」




「時期に貴様も分かる。貴様の能力(ちから)ならば〝万物の声〟が聞こえるようにな」




「だから修行してんだろ?まぁ、おいの目的はあんたと違って人探しだがな」




(えん)が有れば会える。まずはじっくりと己を見る事だ。我が力は神によって──」




「あーあーあー分かった分かった。外に出てるから頼むぜ旦那。ギルドで適当なチーム組まなきゃなアンタに教えを乞う事も無かったのに……」




 ぶつぶつと小さく漏らしながら法衣の男はその長めの黒髪をかき乱しながらその場を後にした。



 語る相手が居なくなった〝旦那〟と呼ばれたローブの人物はため息を一つ漏らして口を開く。




「やれやれ、あの方の素晴らしさが分からんとは。……〝メディーナ様〟、貴女ぐらいでしたな。我が神との話しが出来たのは」




 ステンドグラスに描かれた神々しい男の絵を見つめながら虚空へと語りかけるように言葉を垂れ流した。


 かつて自分を救ってくれた人物の側近の一人を思い浮かべながら。




「どれだけ世界に憎まれようとも、命を救われた者の一人。(わたくし)は貴方を(たた)えております。いずれ、相見(あいまみ)える時が来る日まで──〝ガイゼル様〟」




カナタ


「ここが!あの女の!はぁうすね!!」



シラタマ


「にゅ?」



ルギ


「また兄ちゃんが壊れたぞ」

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