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ヘタレの努力家  作者: りばーしゃ
第2章 王都〜ミーション〜
77/213

稼ぎ時

ありがたいレビューも一つ頂き、総PV25000を超える事が出来ました。


読んで下さる事はもちろん、実際に残る形でお褒め頂けるのはとても嬉しいです。


簡単な感想などでキャラを褒めて頂ければガンガン出してくので気軽に書いて頂ければ幸いです。




「うわぁ…こりゃあすげぇ…出店がもうこんなにも」




「ははは、もうすぐ『武術大会』だからね。話しは聞いてるかい?」




 ラデンさんに連れられながら、辺りの様々な所に活気づく様々な出店に目を奪われているとラデンさんがはにかみながら俺へと聞く。


 ちょこっとだけだが小耳には挟んでいるので一応はと答えておいた。


 じゅるりじゅるるとシラタマがよだれを(すす)

音が頭上から聞こえてくるが無視する事にする。


 垂れて来そうで怖いが無視する事にする。


 大事な事なので二回思いました。




「稼ぎ時でもあるからね。『武術大会』は様々な人の収入イベントさ」




「それに合わせてさっきみたいなバカ共もあちこちから来るって訳だ」




 ラデンさんの言葉に合わせてギルドマスターのファウストさんが小さくため息を漏らす。


 小さく零した筈なのにしっかりと聞こえてくる渋い声に疑問を覚えるが流すとしよう。




「腹減ったよ兄ちゃん…」




「俺もだ。とりあえずこのドライフルーツでも食っとけ」




 くにょんと眉を八の字にしながらルギくんがお腹を(さす)った。


 この暴力的な程に漂ってくる様々な美味しそうな香りが流石に可哀想なので残り少ない、姉御印のドライフルーツを胸元のポケットから取り出す。


 これは無視出来ない。


 シラタマが「わたくしにも!清き一票を!!」とふかふかのおててを挙げてふにゅふにゅと鳴いているがお前は我慢しなさい。


 ルギくんの頭の上に移動して催促(さいそく)しないの、ぴょんこぴょんこしないの。




「…いや、兄ちゃんも我慢するならオレも我慢するよ」




 ぬー、と唸りながら摩る手を戻してルギくんは差し出したドライフルーツを断った。


 なんて偉い子なの…シラタマや、お前も少し──あ、取られた。ルギくんが断るの狙ってやがったなお前。




「ごめんね。国王から来たら是非顔を見せて欲しいと頼まれててね。すぐ済むからもう少し待ってくれ」




 干し肉と言う食料に「にゅっふー♪」とふよんふよん揺れながら喜んでるシラタマをさておき、ラデンさんが申し訳なそうに頬をこりこりと掻いた。




「悪いな。〝あのアル〟のお墨付きだからとあのおっさんが年甲斐も無く楽しみにしやがってよ」




「…そんなにアルってすげー人なんですか?」




 ファウストさんの言葉に思わず言葉が出た。


 ずーっとアルはすげーような事匂わされて来たけど今だにピンと来ない。


 ほんとに何もんなんだアイツ?


 そんで国王をおっさん呼ばわりとは流石ギルドマスター、お見それしました。





「国王が全部教えてくれらぁ。飯ならうめぇ所教えてやるから我慢しな」




「にゅっ」




 小さくシラタマが鳴いてファウストさんの言葉に反応した。


 飯の言葉に反応したなキサマ。一瞬エクスクラメーションマークが出たように見えたぞ。




「美味い所かー……堪えろよ我がいぶくろー」




 それにしても国の王様が直々にねぇ……まぁ…行きゃあ分かるか。




 と、ルギくんがさっきやってたように腹を摩る行動で俺はある物を見逃していた。


 なーんか良く見たような顔をした〝白衣姿の銅像〟が街中におっ立ててあった事に。







「いででで…クソっ!!聞いてねぇぞあのネズミがギルドマスターなんてよ!」




「うるせぇ!おめぇこそそのガタイであっさりやられやがって!」




「お前も自慢のナイフ(さば)きを見せる事無くやられてるけどな」




「何言ってんだよ俺達全員武器も壊されてるじゃねぇか!ハァッハ!!」




「「「言うなそれを!!」」」




「煩いよあんた達!!」




「「「「へーい」」」」




 ギルドの牢屋へとぶち込まれた男達が騒いではギルド員に怒られる。


 騒ぎを起こした彼らの処遇は祭り終了まで無償のギルド依頼の受ける事と、監房生活と言う物だった。


 本来なら出禁もあり得たがそれはギルドマスターの「まぁ、祭りの前だからそれは勘弁してやれ」の一声でそれは免れた。


 なお、補足として「その代わりがっつり絞りとってやれ」との事なのでしっかりと見張り付きである。


 この稼ぎ時はギルドも一般の店と変わらない。


 寧ろ出店の食料確保の為にギルドの依頼は増しているので彼等のような者達は(てい)のいいカモでもあったのだ。




「にしてもギルドマスターはそうだが、まさかこの国のギルド員もあんなに力がつえーとは思わなかったな」




「お前がそう思うなら余程だな。確かに細い奴らも半端ねぇ力してやがったな」




「俺の体重すら物ともしなかったなぁ。コイツぁ時期早々過ぎたんじゃねぇか?」




「元々細い俺はそうとお前すらか?どんな鍛え方してんだよここの奴等は」




 冷たい石壁にもたれながら彼等はここのギルド員のレベルに口が開く。


 彼等は元々盗賊あがり、大会へとここに出向いたのは〝ある物〟が目当てだった。




「賞金は(しばら)く食うに困らねぇ金額。それに稀少な魔道具。一番の目標は──」




「【英雄】直々の修行だろ?分かってらぁ。俺等に必要なのは〝力〟だ。盗賊じゃあもうやってけねぇ。全員漏れなく監房に永久就職だ」




「盗賊紛いの事しててぶっ殺されないだけマシではある」




「必要なのは常識だな!ハァッハ!!」




「「「おめーが言うな!!!」」」




「煩い!!飯抜きにするよ!!」




「「「「へーい」」」」




 監房だがここの飯はまとも所か上物だった。


 余程料理のレベルが良いのだろう。


 監房生活をする上で唯一の楽しみである食事を抜かれるのは耐えがたい事を何よりも知ってる為、大人しくする事にした。




「力が欲しいもんだぜ。全く」




「とりあえず休もうぜ。依頼で腕でも磨くとするか」




「だなぁ。良い機会だと思おう」




「武器もねぇしなぁ…体力を蓄えとこうぜ」




「「「意義無し」」」




 尚、彼等は無事に食事にありつけた様だ。




カナタ


「何かあったような気がしたようなしないような感じだから忘れよう」




シラタマ


「ふにゅー…じゅるっ」




ルギ


「シラタマ、頭に乗るのは良いけどさ。よだれ垂らさないでね」

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