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ヘタレの努力家  作者: りばーしゃ
王都への道〜鬼の少年〜
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厨二故に後々気付く

最近ミックスベジタブルにオリーブオイルとマジックソルトぶっかけて食うのにハマっておりやす。


子供の頃はあんなに謎の拒否感があったのは何故だろう…


あ、今回はちゃんと彼の名前出ます←




『んー…満足満足。いやぁ美味かったなこの魚モドキ』




『けぷっ…ふにゅー』




 小さなゲップをして、ほよんと揺れるシラタマさんもご満悦のようで何よりです。


 さてと、魚をぶっ刺してた串を洗う前に……




『で?聞かせて貰ってもいいかぼーず。ああ、楽にしてていいぞ。作業しながら聞いておくからよ』




 と、言いながら左腕に着けた腕輪に魔力を通し、水の魔玉に接続する。


 ぽわんとした、(おぼろ)げな青い光を放つと、掌の上、少しの空間から優しく溢れ出す小さな水の滴。


 魔力を洗うのに適切な量になる様、調節──うん、こんなもんか。


 大体水道の蛇口から程々に出るくらいに水が溢れ出す事に成功。


 んー重力で下に行くから腕を下向きにしながら洗えば何とかなるか。


 不便っちゃあ不便だが洗えるだけマシか。


 まぁ、ここん所は今後の課題だな。




『…まず助けてくれてありがとう。アンタが居なきゃあオレは死んでた』




 胡座(あぐら)の中に両手を入れて、おずおずとぼーずが喋り始める。


 しかし、飯を食ったからか、最初の時の印象と違って雰囲気は幾らか落ち着いたようだ。


 あと、礼が素直に言える子か。うむ、偉い。




『んー気にすんな。生きてて何よりだよ。ちなみに見つけたのはそこの毛玉な。名前はシラタマ』




 じゃぱじゃぱと串を洗いながらシラタマへと指を指す。


 よし、後は消毒…熱で消毒するとしよう。




『ふにゅっ!』




 お目々を逆八の字にして私が助けた!と、言わんばかりにシラタマが手のようなものを腰に当てて胸を張る。


 待て、腰は何処だ、胸は何処だ。


 可愛いから許す。




 ふふーんと得意気なシラタマをよそに、串の消毒をすべく魔力を一度留めて水を切り、今度は右腕の腕輪に嵌め込まれた火の魔玉へと意識を移す。


 リボルバーのように、又は時計のネジのように。


 意識をかちかちと動かすように魔力をそこへ。


 ぽぅ、と朧げに灯る赤い光と僅かな熱──よし、接続出来た。


 焚き火を起こした時もこれを使った。


 しかし火を起こすのとは別に火を維持しなければならない。


 ヴィレットから貰った魔跡玉(オーブ)を組み合わせてみよう。




『あ、ありがとうしらたま?』




『ふにゅにゅん』




 おずおずと不思議な顔でシラタマに礼を言うぼーずを尻目に俺は試行錯誤。


 良きに計らえ、そんなニュアンスが聞こえた気がする。知らんけど。


 んーと?このまま火を放出するようにすれば良いから…とりあえずヴィレットの魔跡玉…長い、ヴィレ玉で良いや。


 ヴィレ玉にも魔力を流して…腕先の方に風を流すように…出力は少しだけ──よし。


 右腕に意識を集中させ、組み合わせた魔力を掌の上にて交差し、発動。




 ぼう──と、そこには掌から放出される炎があった。


 もちろん掌から直接出ている訳ではない。


 熱くないようにちゃんと空間を開けてあるのでこのままで問題はないが、これより高出力を出すならより空間を開けて放たねばダメだろう。




 ふはは。これだよ…これぞ俺の求めていたファンタジーの真骨頂…!!


 燃えろ…全て燃えてしまえぃ!!滅菌じゃあ…!!




『オレは鬼人族のルギ…飯を食わせてくれてありがとう』




 ぼぼぼと、厨二心全開で串を熱消毒している間にぼーずが挨拶をしていた。


 予想はしてたけど鬼人族か…それにしてはイメージと違って丁寧だな。


 ちなみにアルから言語を学ぶ際にどういう種族がどういう言語を使うのかはあえて教えてもらってはいない。


 それもまたこの世界を楽しむ為の要素になると思ったからだ。




──




「種族の説明は良いって?何故だい?」




「『分からない』から良いんだよ。知ってるものをわざわざ見には行かないだろ?


『分からない』から興味も出るだろうし、『知りたい』となるかも知れんのよ」




「ははは、それは確かに。それじゃああのサラダの野菜作った山エルフの住んでる場所も言わなくて良いね」




「なんじゃと」




「自分の足で探しに行くなんて殊勝(しゅしょう)だなぁ。私も山エルフを探すのには骨が折れたと言うのに…いやぁ、流石カナタ」




「自分の決断をここぞとばかりに悔いた。おのれ自分」




──




 うーん、そんな事もあったなぁ…いかん、あのアルのほくそ笑んだ(ツラ)思い出したら腹たって来た。


 うぇいと、うぇいと。忘れるんだ俺よ。




『えーと…?あんたの名前は…?』




 眉間に皺を寄せていた俺に戸惑いながらもぼーず、もといルギくんが問いかけて来る。




『俺の名前はカナタだ。すまんな、些細な事で知人の腹立つ顔思い出しちまってな……』




 んん、いかんいかん。おのれアルめ。居ないのにほくそ笑んだ顔が鮮明に浮かびやがる。


 熱消毒のし終わった串を纏め、ぼぼぼ、と右腕から発される魔力を止め、火を沈める。


 そして気付いた。




 コレ(熱消毒)──焚き火でやれば良かったんじゃね?




 めらめらと燃える焚き火は何か「ばーか!ばーか!」と訴えているように見えたのは気のせいだ…そうに違いない。


……よし、気を取り直してぼーず、違った。ルギくんの事情を聞こう。


 なぁにさっきのは唯の試運転さ、哀しくなんてないんだからね…ないんだからね。




『うし、片付けも終わったし…話──聞くぞ?』




 ぢゃらり、じじじ。


 串をまとめてしまい、リュックのジッパーを降ろして片付け完了。


 さぁ、聞かせてくれ。俺が出来る事なら手伝おう。




『あんた…いや、カナタさん!頼む!じいちゃんを助けて欲しいんだッ!!』




 両の手を着いてルギくんが叫んだ。


 その顔には…いや、変に捉えなくても良い。




『おう、話せ話せ』




 あくまで彼が話しやすく、俺は固くならずに楽な姿勢で話しを聞く事にした。


 それ程…彼の灰色の眼には確かな『決意』が込められていたからだ。


 さーて、ヴァサーゴさんから得た技術(わざ)。早速使う事になりそうだな。




ルギ


「やっと…ッ!やっと名前がッ!!」




カナタ


「遅くもねぇよなシラタマや」←5ページぐらいで名前出たの人




シラタマ


「ふにゅん」←4ページぐらいで名前出た毛玉

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