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ヘタレの努力家  作者: りばーしゃ
王都への道〜鬼の少年〜
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順風満帆……と思ってた時がありました

最近のマイブームはコーヒーです。


機会があったらミルでも買って挽いてみたいですね。


自分はコンビニのコーヒーだとファミマのが一番好きです。


酸味少なくて香りが自分好み。ブラック美味しい。




「はっはっは〜!いやぁ、乗りもの無しでこの爽快感は心地良いなぁ!!」




「ふにゅ〜!!」




 過ぎ去る景色、身体を叩く柔らかくも力強い風。


 鼻腔へと入るのは青々とした草花の爽やかな香り。


滑歩(かっぽ)】という移動技術を身につけた旅はとても快適、好調という出だしだった。




 ぴょんこぴょんこと、軽やかに飛び跳ねながら移動する身体にはまだ疲れと言う物は感じない。


 あったとしても楽しさと、風を突っ切る爽快感によって喪失してるのかも知れんが。


 なお、速さ的には自転車…いや、原チャリが頑張ってる程の速度は軽く出ている。


 風の当たる強さ的にはそのぐらいの速さは出ているだろう。


 ばたばたと風圧ではためくマントの音がまた心地よい。




 ふと、目線を左にやると、光を反射する水色の景色が見える──湖だ。




「おお、見ろよシラタマ。向こうに湖があるぞ」




「ふにゅー」





 牙狼族の村を発ってから暫く経ったような気がする。


 時計もないのに何故分かるか?馬鹿者、腹時計に決まっておろう。


 向かう場所の確認がてらに少し休憩するとしようかね。




「ちょいと湖で休憩にすんべーよシラタマ」




「ふにゅ〜」




 はいよーと頭の上でふよふよ揺れるシラタマの了承も取ったし向かいましょ。







「おお、近くまで来ると結構広いなこの湖」




 太陽によって煌めく穏やかな水辺。


 前の世界じゃあ見たこともない透き通った美しい水面がそこには広がっていた。


 よくよく見れば魚っぽい影や色鮮やかな小鳥も確認出来る。


 動物がいる辺りどうやら飲料としても使えそうだ。




「にゅっふー♪」




 頭からぽいーんと飛び降りるなりてってけてーと湖へと駆け寄るシラタマ。


 やだ今日もうちの子可愛い。存分に泳いでこい。




「さて…と…お。座るのに丁度良い岩があーるではないか」




 腰をかけるのに丁度良さそうな岩が水辺付近に点々と転がっている。


 どれどれ、そこに腰かけながら地図でも見るとしませう。




「えーと?村の場所が…この狼マークか。そんでこの湖がここか」




 地図に書かれた様々な地形の中に、可愛らしくデフォルメ化狼マークがぽむんと書かれている。


 王都までなら役に立つから〜と、ヴェリスリアさんから頂いた物だがどうやらこの温かみのあるタッチを見るにお手製らしい。


 夫婦共々優秀過ぎやせんか?有り難く使わせて頂こう。




「道沿いとこの湖の長さを比べて見るに……王都には流石に一日で着きそうもないな」




 地図の端にある王都には、この湖の距離を基準にしても結構な距離がある。


 こりゃあ薬もアルに頼まなきゃいけない訳だ。




「何処かの村や町に泊まる必要があるな……とりあえず道沿いに行けばこの町に着くのか」




 ぐいーっと南へ道沿いへ行くと小さい町があるようだ。


 しまったな、王都までの距離をバルちゃんに聞いておけば良かった。




「食料はきのこがあるから問題無いし、寝る場所もこのマントをタープ代わりにして屋根をつけてテントを張ればよし」




 丈夫で中々の軽さのこのオリーブ色のマントはヴァサーゴさんから頂いた物だ。


 若い頃に旅で使ってた物らしい。


 アラクネと女郎蜘蛛の糸を交互に編み込み、水の聖霊の加護を与えてある物らしい。


 何という異文化交流且つ、異種族交流。


 水を弾き、耐久性も良く日や雨を凌ぐにはうってつけの性能と素晴らしい品だ。


 この商品は大分古いらしいが全くそうとは思えない。


 寧ろ現在の性能は如何程(いかほど)になるのだろうか?


 機会があったら見てみよう。




「食料も寝床も困る事は無いな。困るとすれば寝てる時の魔物の襲撃か…」




 地図を(ふところ)のポッケに仕舞い込みながら、背中のスクエアリュックを岩へと下ろす。


 ごす、という鈍く、重い音。


 食料やテント、日用品やらが入ったやたらと重く、大きなこのリュックが魔物が持っていくとは考えにくいが、匂いを嗅ぎつけて来る可能性は十分に考えられる。


 洞窟やらがあれば何とかなるだろうが、この広々とした草原の道にあるとは思えない。


 あるかも知れんが無い物と考えた方が良いだろう。




「うーむ、どうすっぺかなー最悪シラタマと交代で寝るしか無いかねー…うーむ」




 あの人畜無害の塊のようなシラタマに火の番が出来るだろうか……


 寧ろ美味しく頂かれてしまうのではなかろうか……


 はっ、いかん。これでは負のスパイラル。




「ふんにゅー!!」




 考え込む俺を尻目に聞こえてくるのはシラタマの雄叫びと、何か重い物が沈み込む音だった。


 ま、まさか!!




「シラタマっ!?……おっふ」




 どぱーんと立ち上がる水柱。


 その水柱から飛び出すのは魚っぽい魔物…かな。


 なんか牙とか鋭いヒレも見えるし多分魔物だろう。


 そしてその水柱をぶち上げたのは……シラタマである。


 多分魔物に重力ぶち込んで打ち上げたんだろう。


 眉を逆八の字にして万歳をするその姿は「やったったぞ〜!!」と言わんばかりである。




 うん、心配無かったわ。うちの子十分に強いわ。




 べちんと俺の真横に叩きつけられる魚の魔物。


 うむ、結構デカいサイズだ。小腹満たしとして焼いて頂くとしよう。




「野宿の心配も無くなったしコイツの血抜きしちまうか」




 鞄からナイフ取り出してズバズバして内臓も出してしまいましょ〜ね〜。


 おお、白身ではないか。コイツは塩振って丸焼きにしてしまおう。


 前ならこれでもおぼろろしてたんだろうなぁ〜。


 我ながら成長したもんだ。




「にゅ!?ふにゅっ!!!にゅっにゅっ〜!!!!」




 下処理をしているとシラタマが慌ただしく叫んでいる。


 どうやら呼んでいるようだ。


 なんか珍しい物でも見つけたのか?




「ちょい待て今行く」




 折りたたみ式の串に下処理した白身魚の魔物をぶっ刺してと。


 この串もナイフもヴァルカンさん製である。


 素晴らしい切れ味と使いやすさは流石と言うべきか。


 どす、と地面に突き刺してシラタマの元へと向かう。


 波打ち(ぎわ)でわたわたと騒いでいるのが見て取れる。


 どうやら喜ばしい事では無さそうだ。




「どしたいどしたいシラタマやー」




「にゅにゅにゅ!!ふにゅにゅにゅ!!!」




 シラタマの側にいたのは──







「お、男の子!?」







──白い髪をし、ぼろぼろの衣服を見に纏うおでこに【角の生えた】男の子がそこに打ち上げられていたのだった。

カナタ


「やだうちの子ったらこれは食べられませんよ?……じゃねぇわとりあえず火を炊いてあっためてやらねぇと…シラタマ!木を集めてこい!超特急!」




シラタマ


「ふにゅー!」




???


「……ぅ…」

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