迎え
祝!!100話!!!祝っておくれやすぅ!!!!
…
「このギルドからすぐ真裏に迎えがもうすぐ来る。お前達の容姿はもう伝わってるからすぐ分かんだろ」
「良かったですね兄者!」
「「「兄者!」」」
「やかましい」
俺の頭の上からポプラ姉さんの頭に飛び移ったファウストさんの言葉に便乗する四人組にぴしゃりと一言。
もう四バカでいいかな?兄者呼ばわりされて余計三下感が増したのだが。
「ああ、そうだカナタ。お前さん奴隷商と戦ったんだろ?宿屋に着いた時でいいから情報まとめて送ってくれ。後で整理する。やり方は分かるよな?」
「了解です。人工精霊から教えて貰ってるので大丈夫っすよ」
そう言えばその事を話し忘れていた。俺の持つ奴隷商の情報も照らし合わせればさらに詳しく調べられる筈だし、出し惜しむ必要は無いしな。
情報を送るやり方?それは宿屋で実際にやるので今語るのは二度手間だ。多分ルギくんが知りたがりそうだし。
「迎え?」
「丁度この真裏の方向に宿屋が有ってな。遊郭が近くにあるから〝護衛に〟寄越してもらった」
「ああ…カナタ兄ちゃん苦手そーだもんね……ルーインさんの店でもぎこちなかったし。チャームされてない時でも」
ファウストさんの答えにルギくんの目がじとーっと俺に行く。
ぎくり、バレていたか。そうじゃよ苦手なんじゃよあの感じ。
いや男的にはああいうの好きな人いっぱいいるんだろうけどさ。俺はダメだ、怖い。
ゼーベックとか好きなんだろな、「むしろ喜んで!」とか言いそう。
「ギルドマスター、真裏方面の宿屋ってもしかしてあそこっすかー?よく都合つきましたね?」
「女将がコイツに興味あるらしくな。二つ返事で了承してくれたよ」
「へぇ!そいつぁあんちゃん運が良いぜ、今から向かう場所は名が通った人でもあまり泊まれねぇ宿屋でよ。俺達も泊まった事はねぇんだがエラい美人の女将さんが居るって評判さ」
「だが手を出そうなんて考えない方がいい。噂じゃあ実力は英雄クラスで過去に手を出そうとした馬鹿な貴族が護衛共々〝壊滅〟されたらしい。一応〝九死に一生〟を得たらしいが……今じゃあ没落貴族ってわいは聞いた」
黒いタンクトップに水色のハーフパンツ、鋭い嘴に、まん丸な黒眼をし、背中に見事な翼を仕舞い込んだ翼人族の男性が見かけに寄らない程にひょうきんに語ると、それに付け加えるようにがっちりとした肉体の上にラフな緑色のジャケットを羽織り、ダメージの入ったジーンズに鋭い爪、牙を生やした虎人族の男性が続いた。
虎人族の男性はまんま虎だとして、翼人族の男性は…隼だろうか?鷹のような顔付きだが、腕や胸元に見える白色の地に褐色の斑点、淡い青褐色の翼の特徴からして隼だろう。
それにしても……英雄クラスの強さを持つ女将さんか……普通に泊まる人間としちゃあ安心して泊まれるな。
「ヘタレなので手を出す事無いっす。手を出すなら食った事ない旨そうな飯の方が徳ですし」
「ハハハ!違いねぇや!そんじゃあまた今度な!坊主も!」
「うん!行ってきます!」
「じゃあ行ってきまーす」
「にゅ!」
俺とルギくんの言葉に続くように、よじよじと定位置に登ったシラタマがほよんと頭の上で跳ねた。
ポプラ姉さんや、カルロさん、四バカ、それに他の人達もそれを見送ってくれている。
ああ、もふもふが…もふもふが……
くぅ!私も頭の上で跳ねられたい!
よし、ファンクラブを作ろう。
それだ!
乗った!
向こうで何か企んでいる人達がいた気がするけど気にしない事にする。
…
「さーて、真裏か。迎えねぇ…どんな人だろ」
ケスルタで左腕に小さな立体映像を浮かべながらギルドの壁伝いに真裏の道へと向かう。
実はこのギルド、四方向に分かれた道の中央にあり、アクセスはしやすいようになっている。
真四角のこの国の中央、奥がハウィさんの城だとするとギルドは真ん中よりも少し左側に位置する。
その左側突き進んで行った奥にルーインさんのお店バーハウス【シッキシヴェド】、それより少し奥に行けばバルちゃんのお店、全種族歓迎居酒屋【幸食亭】がある。
そう、バルちゃんのお店の向こう側は……遊郭通り、ギルドの真裏の道はその〝勧誘〟も居る宿泊街となっているのだ。
ギルドの真裏の道に至っては宿屋や通常のお店もある普通の通りとなっているだが、命を張って依頼を受けるギルド員には〝そういうの〟が必要なのだろう。
バルちゃんが言ってた〝そっちの友人〟も遊郭通りが近いせいもあって呼び易いんだろーと地図を見て納得した。
「どんな人だろうね?カルロさんみたいな人かな?」
「どーだろねぇ。…確かにカルロさん見たいなガタイの良いゴリラの獣人が護衛にいれば安心ではあるなぁ」
脳内のカルロさんがぐっじょぶしているのが浮かぶ。
うん、心強い。チンピラみたいなのは絶対よって来んだろ。遊郭の勧誘来てもやんわりとお断りしてくれそうだし。
俺?固まった顔で歩行止めずにすみません言いながら強行突破しかないな。ルギくんは小脇に抱えていくとする。
と、その時だった。目の前に腕を組んで仁王立ちしている軽薄そうな男が声を掛けて来たのは。
「──よぉ、よーやく会えたな。お前がファウストさんが連絡くれた例の異世界人だな?…良い体格してんじゃねぇの、ヴィレットが言ってた通り優男の顔してんな?ハッハッハッハ」
カナタ
「誰だ」
ルギ
「誰だ」
シラタマ
「ふにゅにゅー」
カナタ
「なんとなく分かるがやめい」




