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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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99.ヨウの正体


《ヨウSide》


 ヴィル・クラフトと再会した、火の勇者ヨウ・スナイプ・ファイアローはというと……。


(やったーーーーーー! 憧れのヴィル様と、いっしょだぁーーーーーー! うぉーーーーーーー! やったー! うれぴー!)


 ヨウは内心で大喜びしていた。


(おいおいなんだなんだよなんですか!? なんてハッピーなんだ! ローを盗られてやべえって状況なのに……うれしいぞい!)


 内心で飛び跳ねているヨウ。

 だがそんな様子はおくびにもださない。

(ふふふのふ。ヴィル様LOVEなわたくしめですがぁ! しかし他の勇者ちゃんズとちがってわたくしめは積極的にアプローチができないのでありあますよ! 理由? コミュ障だからですね本当にありがとうございましたっ!)


 ……とまあ、クールな見た目の割に、中身は少々テンションが高い。

 それが、火の勇者ヨウという女だった。

(自分からアピールできないで悶々としていたそんなとき、わたくしめのピンチにヴィル様が颯爽と! まるで王子様のように駆けつけてくださった! おいおいおいおいこれはもう神がわたくしめに言ってるのでは? いったれやったれと! くぅう!)


「ヨウ?」


 びくーん! とヨウが固まる。


(い、いっかーん! ひとりで浮かれすぎたでありますか? うはー! どうしよう……変な人みたいに思われてないかなぁ? 大丈夫でありますかなぁ?)


 十分変な人なのだが、まあそれはさておき。


「ファイア・ローはどうしちまったんだ?」


 ああ、そうだったとヨウは思い出す。

 まだ自分の相棒が、手元にいない理由をヴィルに話していなかった。


「……盗られた」

「盗られたぁ……?」


 こくん、とヨウはうなずく。

 これには深い事情があったのだ。


 だがそれを語ろうとしても、生来の口下手なヨウにはできず……。

 それ以上の情報を知りたがっているだろうヴィルは、さぞ落胆、もしくはいらついてるだろう……。


「そうか」


 ヴィルは近づいてきて、頭に手を載せてきた。


「災難だったな」


(うっはあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん♡ すきぃ~~~~~~~~~~~~~♡ ヴィル様らーーーーーーーーーーーーーーーーーーぶ!)

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