91.再び挑む七福塵の作品《こども》
《ウィニーSide》
ヴィルが魔法船を完成させた一方その頃。
七福塵がつくりし子供、ウィニー。
彼女は前回、ヴィルに挑んで、ハエのようにワンパンさせられた。
「ゆるさない……ゆるさいよぉ……う゛ぃーるぅうう……!!!!」
ウィニーは嫉妬していた。
創造主であり、父、七福塵に愛される存在……。
ヴィル・クラフトのことが、憎くてしょうが無かった。
「パパの愛はぼく専用なんだよぉ! てめえのじゃあねえんだよ!」
ウィニーが立っているのは、南の国フォティヤトゥヤァへと向かう途中の海上。
彼女は平然と海の上に立って、待ち構えている。
「うわさによると、やつは船に乗ってこのルートを通るらしいからなぁ。船もろとも沈めてやるよぉ……!」
ぐにゃあ……とウィニーの形が変化する。
彼女の能力は、【有為転変】
身体を自在に変化させる能力だ。
彼女は巨大な海の竜へと、身体を変化させる。
『これはかつて存在したと言う、四神・青龍の姿をもしたもの! 青龍の放つすさまじき水のブレスで……木っ端みじんにしてやるぜヴィルぅうううう!』
こぉおおお……とウィニーの口に魔力を集中させる。
高圧縮された水のブレスに、雷が混じる。
『くらえ! 水神豪雷砲ぅううううううううううう!』
ぶしゃああ! という激しい水流に雷が混じったブレスを発射する。
それは直撃すれば全てを破壊する威力をはらんでいた。
『手応えあり! よし!』
……しかし。
煙の向こうから現れたのは、巨大な鉄の船だった。
『なっ!? んだよこれぇ! でかすぎんだろぉお!』
青龍の姿をもしているウィニー。
彼女も十分にでかいのだが、それを倍も上回る、巨大な船が現れたのである。
すると船のボディに、がしゃんという音とともに、窓が開く。
『な、なんだ……?』
窓から顔を覗かせるのは、無数の砲台だった。
『ちょっ!?』
『竜発見! 撃てぇえええ!』
鉄の船に搭載されていた、無数の砲台。
それから無数の砲弾が、一斉掃射される。
どがががががががぁああああああああああああああん!
「あぎゃぁあああああああああああああああああああああああ!」
……またしても、ウィニーはヴィルと会うことなく、一蹴させられてしまうのだった。
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