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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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81.次なる目的地



 俺はポロと一緒に旅をしている。

 

「せやっ!」


 ポロは夜空を使って、湧き出てくるモンスターを倒してくれる。

 まだ完璧とはいいにくいものの……。


『ポロよ。今の一撃はいい感じじゃ』

「ありがとうございます! 夜空様」

『なー! ずるーい! るーちゃんもつかってよー!』

「るーちゃん、ヒーローは遅れてくるんですよ?」

『ひーろー! うん、るーちゃんのでばんはあとですな!』

 

 聖剣2本と上手くやれている。

 そう遠くない未来、ポロも立派な勇者様になれるだろう。


 今は色々経験させてやりたい……が。


「ポロ。ちょっと休憩とるかい?」

「いえ! まだまだ元気です! 先へ進みましょうっ。出てくる敵は全てわたしが倒します!」


 どうやら獣人国での出来事があってから、何かを掴んだ様子。

 前は人助けに否定的な面が見受けられたんだが……。


「! ヴィル様、あっちで人がモンスターに襲われております! たすけてきますね!」


 俺が止める前に、ポロは駆けだしていた。

 2本の剣を用いて、敵を葬り去っていく。


 ふーむ……。


「「「ありがとうございます!」」」


 どうやら商人の馬車だったようで、ポロは大変感謝されていた。


「あんたらこれからどこ行くんだ?」

「私らはフォティアトゥヤァへ渡るため、漁港ウォズへ向かっておりました」

「フォティアトゥヤァ……?」


 ポロが首をかしげる。

 どうやら知らないようだ。


「南にある小さな国さ。常夏の島って言われてて、観光客に人気があるんだよ」

「へえ……観光地ってことですか」


 ふぅむ、なるほど。フォティアトゥヤァな。


「よしポロ。次はそこへ行こう」

「え? か、観光地にいくんですか……?」


 ポロは今、勇者としての自覚が少しずつ芽生えている。

 が、気張りすぎてるところがあった。


 獣人国で頑張りすぎたこともあるから、休息も必要だろうしな。


「そ。俺、一度フォティアトゥヤァに行ってみたかったんだよね」


 観光地には、見たことないスポットや建造物があるだろう。

 そこで新しい神器の、インスピレーションを得られるかもしれない。


 これはポロの旅でもあるけど、俺の旅でもあるからな。

 もとより俺は神器を作るのが目的だしよ。


「観光地……」


 ポロは乗り気じゃないみたいだ。

 それより人助けや自己鍛錬がしたいのかな。


「まあ聞け。フォティアトゥヤァには、炎の勇者がたしかいたはずだぞ」

「炎の勇者様がっ! 会ってみたいです!」


 俺たちの目的が、合致したようだな。


「つーわけで、商人さん。途中までのっけてってくんない?」

「もちろんでございます!」


 こうして、俺たちは次なる目的地、南の国フォティアトゥヤァへと向かうのだった。


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