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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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50.ミラクル銃で馬車を助ける



 俺たちは再び旅に出ることにした。

 からから……とまわる荷台を引っ張るのは、馬みたいな形の魔導人形ゴーレムである。


「ヴィル様」

「お? どうした?」

「荷台を引っ張っているのは、生きてる馬……ではないですよね?」


 俺とポロは荷台のなかに入って、着席している。


「おうよ。あれは魔導人形ゴーレム。魔道具の一つさ。命令を下せば自動で動く人形」

「なるほど……しかし魔導人形ゴーレムといえば人型であることが一般的ではないでしょうか?」


 確かに錬金術師などが作る魔導人形ゴーレムは、大抵が人間の形をしてる。

 が。


「別によくね? 人間型以外の魔導人形ゴーレムがあっても」


 人以外の形をしていたほうが、使える場合ってやつもある。

 この魔法馬車(俺が名付けた)だってそうだ。


 馬での移動は、休憩が必要となる。

 しかし魔導人形ゴーレムの馬は疲れ知らずだ。


「なるほど……常人では思いつかない自由な発想をお持ちなのですね。さすがヴィル様です!」

「そりゃあどーも」


 魔法馬車は草原から、森へと入っていった。

 そのときである。


 ぴくんっ、とポロが耳を動かした。


「どうした?」

「…………」

「ポロ?」


 ポロは一瞬だけ躊躇ったあと、俺に報告する。


「森の中で人が襲われております。おそらくは、盗賊かと」


 なるほど、このあたりをねぐらにしている盗賊に、馬車が囲まれてるってかんじか。


「よしポロ、助けるぞ」


 しかしポロは俺をじっと見て言う。


「……なぜ、ですか?」

「え?」


 いつもなら何でもハイハイ言うような子が、珍しく質問してきた。


「別にヴィル様には、この先にいる人たちを助ける義理は、ないですよね?」


 どこか俺を試す……。

 というか、俺に答えを求めるような言い方だ。


 うーん、今急ぎなんだけどなぁ。


「簡単だ、困っている人がいたら助ける。それが俺の、ポリシーだからだ。人として、職人としてのな」


 俺には二人の師匠がいる。

 祖父であり、先代の八宝斎はっぽうさい、ガンコジーさん。

 彼には技術的なものを教えてもらった。


 もう一人の師は、親父。

 親父からは技術では無く、精神面で大変影響を受けた。


 曰く、武器(道具)は人を助ける。

 ならば武器を作る職人もまた、人助けの精神を忘れてはいけない。


「ってさ」

「…………そうですか」


 ポロはちょっと納得いってないようだ。

 ふーむ……まあ、人助けに対するスタンスは人それぞれだもんな。


「っと、おしゃべりが過ぎたな」


 今から行って間に合うかは不明。

 ならば……アレの出番だ。


 俺は荷台の扉をあけて、ひょいっと天板の上に乗っかる。


(ボックス)、オープン」


 目の前に小さな■型の箱が出現する。

 これは(ボックス)


 俺の持つ右手、黄金の手に付随する機能の一つだ。

 この箱の中は異空間になっており、作ったものを何でも収納できる。


 俺は(ボックス)のなかから、半月の引きこもり期間に作ったアイテムを取り出す。


「それは……銃、ですか?」


 同じく外に出てきたポロが俺に尋ねる。

 正直君は足が速いんだから、直接行って助けてって思うんだが、まあいいや。

こっちのが早い。


「ああ。帝国の天才職人、マリク・ウォールナットが開発した、遠くにいる敵を倒す遠距離武器だ」


 引き金を引くことで、鉄の弾丸が飛び出す仕組みになっている。

 これを使えばどんなか弱い人間でも、敵を倒す武力を得るという、とても画期的なアイテムである。


 まあ殺人の道具って面もある(護衛手段であるとしても)ので、俺の作りたい武器じゃあないんだが。


「マリク式拳銃を、改造して作った新型銃。その名も、【因果逆転銃】だ」

「いんが……ぎゃくてん?」


 俺は麻酔弾を銃にセットして、遠距離からぶっ放す。


 ドドゥッ……!

 銃弾はまっすぐ飛んでいき……。


 ポロが耳をぴくんっ、と動かす。


「どうだ?」

「め、命中したようです」

「おっけ。じゃあ残りも打撃っちゃうか」


 どどうっ、どどぅっ!


 銃弾はまっすぐ飛んでいく。


「お。おかしいです」

「なにが?」

「だって……こんな森のなかで、銃弾が離れた敵に当たるなんて、おかしいですよ!」


 確かに道中に無数の木々があるなか、直線で飛翔する銃弾が、対象に当たるわけがない。


「が、この因果逆転銃があれば問題ないんだな」


 俺は馬車のなかに戻って説明する。


「この銃弾は、原因と結果が入れ替わる。銃弾を打ったから、的に当たるんじゃない。的に当たるから銃弾を撃った、ことになる」

「む、難しくて何を言ってるのかさっぱりですが……」

「ようは、この銃を持った時点で、銃弾が当たることが確定するんだよ。どんなに離れてようと、途中にどんだけ遮蔽物があろうと……っとついたようだな」


 開けた場所に、横転した馬車があった。

 その周りで、盗賊達が昏倒している。


「うん、問題なく銃弾が当たったようだな」

「必ず命中する銃だなんて……そんな夢みたいなアイテムを作ってしまう、さすがヴィル様です」

「まあ威力に問題はあるから、改良の余地ありなんだけどね」

「いえもう! この時点で十分すごいですから!」

「いやいや、やるんだったらもっともっと凄いもん作りたいじゃん?」


 他人がどう評価するかなんてのは、二の次。

 俺がいいって思った物、よりよいものと俺が思える物を作りたい。


 それだけなんだ。

 


「さてっと。中に居るひと無事だろうか」


 横転した馬車の扉を開けて、なかを見る。


「大丈夫かい?」

「う……うう……」


 頭から血を流してる、その人は……。


「獣人……?」


 そう、獣人だ。

 猫の獣人が、鎧を着ている。


 怪我してる彼女の頭に、ハンマーを軽くこつんとつつく。

 すると、彼女の怪我がなおるどころか、横たわって壊れていた馬車も元通りになった。


 俺の持つ、物作りに関する5つのスキル。

 彼女らに使ったのは、全修復。

 どんな破損箇所(怪我・病気含む)治してしまうスキル。


「うう……はっ! ここは……」

「大丈夫かい?」

「あ、あなたは! ヴィル・クラフト様! 聖剣の鍛冶師さまですね!?」


 聖剣の鍛冶師……?

 そんなの初めて呼ばれたぞ。


「確かに俺はヴィルだけど……あんたは?」


 すると猫獣人が俺の手をつかんで言う。

「わたしは獣人国ネログーマから来た使者です。ヴィル様、どうか我が国の窮地を、救ってはいただけないでしょうか!」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ???「ランサーが死んだ!」 ????「この人でなし!」
[気になる点] 一章でヴィルの迎えに行ったアンネローゼ王女はどうした?
2023/03/01 00:04 退会済み
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