279.未来
ポロと協力して、七福塵を討つことになった。
「全くもって……くだらんぞ、八宝斎」
七福塵の表情に苛立ちが見えた。
「おまえは、自動的でなければならない。あらゆるものの願望を、反射で叶えるマシーンでなくてはならない! 自我など不要なのだ……!」
これがやつの主張だ。
モノに心が不要ってね。
「ばっかだなー、おまえ」
「なんだと!?」
「そんなの……作っても、面白くねえだろ!」
作ったモノが、作ったとおりになって、それの……どこが面白いというのだ。
「手塩に育てたものが、創造主の想像を越える……それが、一番おもしれえんじゃあねえか!」
「まったくおまえとは……最後まで相容れなかったなぁ……! 八宝斎ぃいいいいい!」
七福塵の体にマグマが吸収されていく。
徐々に、巨大化していく。
やつはマグマ……いや、大地のエネルギーを吸って巨大化しているのだ。
『それだけじゃあないぞ! マグマで呪具をとかし、それらを組み合わせてある!』
なるほど、呪具+大地のエネルギーで、強化したわけか。
ごごごごご……。
「ヴィルさん、大地が……揺れ動いてます! これはいったい……?」
俺は地面に触れる。
それだけで、モノの構造がわかった。
この星が、悲鳴を上げている。
「どうやら……七福塵のやつが、この星のエネルギーを全てかっさらったらしい。このままだと、星が消える」
「! では……早く討伐しないと、ですね」
ポロは絶望することなく、前を見る。
ほんっとに、強くなったなぁ……。
「ああ、こいつをぶっ倒して、エネルギーを帰して貰う。できなきゃ星が崩れる」
『倒せるものかぁ!』
いーや、倒せるんだなぁこれが。
俺には、見えている。
俺たちの勝利する未来が。




