276.開戦
八宝斎と、七福塵。
最後の戦いの鐘の音がなる。
「さぁ、お手並み拝見といこうか!」
七福塵が手を鳴らすと、周囲のマグマが噴き出す。
吹き出したマグマは九つの頭を持つ竜へと変化した。
襲いくるマグマの竜たち。
彼らが俺に触れる瞬間、ガラスのように砕け散った。
「なるほど……それが神鑑定か。イメージを具現化する神の技能!」
「ま、そんなとこだ。いくぞ!」
俺が七福塵につっこむ。
彼はその場から動こうとしない。
ハンマーで攻撃を図ろうとし、止める。
にやぁと七福塵が笑うと、その体を自在に変化させる。
まるでスライムのように、体をやらかくし、そして無数の触手を伸ばして俺を捕縛しようとする。
俺はその場でバク宙して回避し、空中に空気ブロックを作ってそこに乗っかる。
「神器をふらずとも、持っているだけでイメージの具現化は可能なのだな」
「ま、そんなとこだ」
七福塵の体を改めて見やる。
体内には無数の呪具が埋め込まれているのだ。
体を変化させたのも、マグマの竜を呼び出せたのも、すべては奴の中に取り込まれた呪物のせい。
「なら……」
俺はやつに向かって特攻。
地面から無数の柱が伸びる。
鋭く尖った柱が七福塵の体を串刺しにしようとする。
だが柱は奴の体に触れる瞬間に、朽ち果ててしまった。
それでいい。
やつの気が逸れてる間に、俺は距離を詰める。
「ぜぇい!」
ハンマーを思い切り七福塵めがけて振るう。
やつはまたしても体を変えて、俺の一撃を回避してみせた。
なんとなく、攻略法が見えてきたぞ。
「そうはさせん! いでよ!」
ごごごごお! とマグマがまたしても盛り上げると、そこには、巨大なゴーレムが出現していた。
溶岩でつくった人形だろう。
だが、まあ。
「俺もできるぜ!」
やつのマグマの巨人を見て、構造を見抜き、同じものを作る。
二人の巨人が激突しあい、大爆発を引き起こした。
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