260.もったいない
魔族国ケラヴノスティアの王都にて。
死んでしまった魔族達を蘇生するべく、俺は新しい結界を作ることにした。
「よっし……いくぜ!」
俺は結界の中心部に立つ。
手には小さな杭。
「八宝斎殿、それはなんですじゃ?」
「こりゃあこの呪われし結界の核だ」
「なんと! 結界の核なんて、よく見つけましたな」
結界の核は、人間で言うところの心臓だ。
壊されたら結界は消滅する。だから、普通は見つからない場所に隠してる。
「え、呪物の気配なんて、簡単にわかるだろ?」
俺は旅に出てから今日まで様々なモノを作ってきた。
その結果、強いモノの気配を簡単に感じ取れるようになった。
特に、呪物については、目隠ししててもわかる。
「さすが八宝斎殿じゃ……」
「そう?」
「して、どうして破壊されないのですか?」
「ああ。もったいないっておもってよ」
「もったいない?」
「おう。万物破壊でぶっ壊すことは簡単だけどさ。もったいないだろ? せっかく作られたモノなんだからさ」
作ったのが誰かわからんが、壊すのはそいつの努力を無にする行為になるからな。
「つーことで、これを有効活用しようとおもってな。超錬成!」
かつーん!




