248.やつ
地の聖剣アース・シェルの呪物化をといたことで、勇者イリスは正気を取り戻した後、気絶した。
いやぁ、アースもイリスも元に戻って良かった良かった。
俺たちがいるのは魔族国ケラヴノスティアの街道。
アース・シェルの剣精、アースが聖剣から出てくる。
半透明の亀がふよふよと宙を漂い、俺の前にやってきた。
『ヴィル防。ありがとうなぁ。イリスちゃんを助けてくれて』
ぺこぺこ、と亀が頭を下げてくる。
「は、八宝斎殿……この御方は?」
「お? 見えるの?」
「はい……」
ロクサーヌちゃんが目を丸くしながら、アースを見ている。
ふーん。剣精は選ばれしもの(勇者とか)にしか見えないのだが。
ロクサーヌちゃんも見えるようになっている。
こりゃ……進化聖剣の力だろうか!
おおおお! 進化聖剣すごいぞぉ!
まさか持つだけで、持ち手に勇者と同等の力を授けるとかさぁ!
「は、八宝斎殿が凄い笑顔になってるのはどういうことなんじゃろうか……?」
『おそらくは剣に関することだろうなぁ。坊やは剣が大好きだからのぅ』
おっとっと。
忘れるところだった。
「アース。おまえを呪物にしたやつって、なんか年齢不詳の変なやつだったか?」
『そうさのぉう。男なのか女なのかもわからず、若いようにも年老いてるようにも見えたから。おまえさんの思う人物と、わしを呪物にしたやつは、おなじだろうなぁ』
あれだな。
七福塵ってやつだ。くっそ、またあいつかよ。
全国に呪物を無節操に配りやがって……。
それだけじゃあきたらず、聖剣まで呪物にしちまうなんて! ネログーマんときもそうだったし! くそが!
完成された聖剣に、変な機能を付けるんじゃあねえよ!
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