247.解除
聖剣アース・シェルが呪物となって、イリスを暴走させている。
アースをどうにかせにゃあかんな、これは。
イリスは地面を拳でぶったたく。
地面から岩の槍が錬成され、俺の腹部を狙ってきた。
俺は回避するも、そこには別の岩の槍が。
アース・シェルの効果だ。あいつは鉱物を自由に錬成できる。
俺と、似たような能力を持っているのだ。
だが、まあ。
「危ない! 八宝斎殿!」
無数の岩槍が俺の体に向かって飛び出してくる。
俺は……避けない。
バキィイイイイイイイイイイン!
「な!? ど、どうなってるのじゃ!?」
「ふむ……どうなってるか? いや、単純にイリスの作る槍が、なまくらってだけだ」
「は、はい?」
俺はイリスに向かっていく。
イリスは岩槍でなおも攻撃してくる。
が、俺に当たった瞬間、壊れる。
「イリス。武器をそんな、消耗品みたいに作っちゃ可哀想だ。きちんと一本一本、愛情込めて作ってやらないとな」
「な、なるほど……乱造してるから、1本のクオリティはたいしたことがない。だから、効かない……と?」
「まあそういうこったな」
ロクサーヌちゃんが感心してる。
俺は自分の間合いまでやってきた。
「ほら、こんななまくらじゃ、俺一人傷つけることもできない」
「うがあああああああああああああああああああ!」
イリスが聖剣を使って攻撃してくる。
俺はそれを回避し、聖剣に向かって神鎚ミョルニルを振り下ろす。
カツーン!
超錬成の力を発動。
呪物となっているアースを作り替える。
『ぐ、あぁあああああああああああああああああ!』
アース・シェルにまとわりついていた、黒い闘気が消えていく……。
『はっ! わ、わしゃなにを……』
「目ぇ覚めたかい? アース」
『!? う゛ぃ、ヴィル坊じゃないか! いったいどうしてここに……?』
ふら……とイリスがその場で倒れる。
呪いによる支配から解放されたからだろう。
俺はイリスを抱き留める。
うん、お疲れさん。
【★大切なお知らせ】
好評につき、連載版をスタートしました!
『 【連載版】おっさん剣聖、獣の国でスローライフを送る~弟子に婚約者と道場を奪われ追放された俺、獣人国王女に拾われ剣術の先生となる。実は俺が世界最強の剣士だったと判明するが、泣いて謝っても今更戻る気はない』
広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。
https://book1.adouzi.eu.org/n4812jc/




