228.姉イリス
魔族の村に捕らわれていた、風の勇者ミリスを助けた。
村長の家にて。
「で、ミリス。どうしておまえ魔族国にいるんだ?」
「イリスとともに、むしゃしゅぎょー」
なるほど……。
と納得する一方、ポロが首をかしげる。
「イリス……さん? ってどなたですか?」
「地の勇者のことだよ。アース・シェルの使い手。で、ミリスの双子の姉」
イリス、ミリスは双子で、二人とも聖剣を使う。
ミリスはウィンド・クロー。
イリスはアース・シェルの使い手だ。
「ちがうもん! イリスはぼくの妹だもん! ぼくのほーが、お姉ちゃんだもん!」
頬をリスみたいに膨らませるミリス。
まあ、こまかいところをこだわっているのだ、この子は。
「ぼくのほーがつよいし! イリスなんて盾だよ盾! 戦うことできないくせに、えらそうにしてさ! ふんだ!」
「イリスさんとミリスさんは、その……なかがあんまりよろしくないのですか……?」
とポロがミリスに尋ねる。
ミリスは答えなかった。
「いや、仲良しだと思ってるぞ俺は」
「あにきはいつもそういうけどさ。ぼくはぜんぜん、イリスのことなんてどうでもいいって思ってるもんね!」
そうかなぁ?
するとミリスがちら、と俺を見て言う。
「……ねえあにき。途中でイリス見なかった?」
ほらね。
なんだかんだ、姉ちゃんが心配なんだよ。
「いや見てない。これから探すとこだ」
「ふーん……そか。じゃあ……その……ぼ、ぼくも手伝ってあげるよ!」
「ほぉ、イリス捜索を手伝ってくれるのか? でもなんで?」
「うぇ!? だからそのぉー……」
素直に姉ちゃんが心配だ、とは言えないみたいだった。
こほん、と咳払いをする。
「風の勇者として、捕らわれてる魔族の人たちを、ほっとけない。それだけさ!」
素直じゃ無いなぁ、こいつは。
そういうところは可愛いなと思うけどね。
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