227.風の勇者ミリス
魔族国ケラヴノスティアにて。
魔族に支配されいた村を開放した。
地下に閉じ込められてた魔族の中で……。
「ミリス様!」
たっ! とロクサーヌが彼女の元へ駆けつける。
ポニーテールの巨乳美少女だ。
ショートパンツに八重歯と、活発的な印象を与える。
「ミリス様!」
「はえ……? ロクサーヌちゃん?」
ミリスと呼ばれたその少女に、俺は見覚えがあった。
そりゃ当然だ。
「って! あにきじゃーん!」
ぱぁ……! とミリスは表情を明るくすると、ロクサーヌを押しのけ、俺の元へとやってきた。
「あーにーきー!」
びょんっ、とジャンプするミリス。
そのまま背中に……バッ……! と翅を生やす。
透明で美しい翅だ。
そのまま宙を滑空して、俺の体に抱きついてくる。
「わー! あにきだ! ひさしぶりじゃーん! ぼく覚えてる?」
「当たり前だろ、ミリス。元気だったか?」
「んもー! 元気元気! さいきんちょーっと調子悪かったけど、あにきの顔を見たら元気になったよぉ!」
すぅりすぅり、と俺に頬ずりしてくるミリス。
「あ、あの……ヴィル様。このお方は……?」
ポロが恐る恐る尋ねてくる。
ああ、そうか。初対面だったな。
「彼女は風の勇者ミリス。風の聖剣ウィンド・クローの所有者」
「どうも!」
ポロは得心いったようにうなずいて、あいさつをする。
「ミリス様、初めまして。私はポロ。光と闇の聖剣使いです」
「光と闇……? そんなのあったっけ?」
元々聖剣は六本しかなかった。
氷、雷、水、炎、風、地。
「俺が二つ作ったんだよ」
「えー! あにきが? す、すっごーい! やっぱあにきはすごいなぁ!」
ま、何はともあれ、ミリスと合流でてきてよかった。
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