223.強くなったポロ
ポロは闇の聖剣・夜空の力で、己を強化して見せた。
……勇者との出会い、そして交流を経てわかったことがある。
聖剣と勇者は一心同体。
勇者の思いに答えて、聖剣が力をくれる。
勇者が夜空に、人を救うために、強くなりたいという思いに答えた結果、闇の円舞曲を発現させたのだ。
「く、くそぉお!」
モールが地中に潜る。
高速で地中を移動し、ポロの背後を取る。
ガキィイイイイイイイイイイン!
ポロは左腕に装備した、光の聖剣ルクスで、敵の攻撃を受けていた。
そして体を反転させ、素早く連撃を叩き込む。
「なんだ!? こいつ……後に目でもあるのかぁ!?」
否、ポロはルクスとも心を通わせている。
危機を察知したのはルクス本人。
……ポロはもう、聖剣を完全に我が物としていた。
相手が魔族だろうと決して負けない強さを身に付けている。
「終わりです……」
ポロが光と闇の聖剣を手に、身をかがめる。
二つの聖剣から力をくみ取り、そして己の足に一点集中。
そしてモールが目を閉じた瞬間……相手は絶命していた。
ポロの刃がモールの首を斬っていたのだ。
「光陰斬」
相手が知覚できないスピードで、相手を殺す、必殺剣。
ポロ一人ではたどり着けなかった領域に、聖剣を装備することで、至ったのだ。




