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212.なんのなんの
魔族国へ向かう道すがら、道路を作っていく俺。
「すまない……」
ロクサーヌちゃんが凄い申し訳なさそうにしてる。
え? なんでだろうか。
「どうしたんだ?」
「いや……こんな素晴らしい道路を作ってもらえても、我らにはあなたに支払う報酬がなくて……」
なーんだ、そんなこと気にしてたのか。
俺は笑ってロクサーヌちゃんの頭をなでる。
「いいよただで」
「た、ただ……?」
「おうよ。俺ぁ……創りたくて作ってるだけだからさ」
別に報酬を求めてるわけじゃあないのだよ。
するとロクサーヌちゃんは目を丸くしたあと、何度も何度も頭を下げる。
「感謝する……ヴィル殿……」
「いいって。んじゃ、さくっと魔族国へれっつらごーしようぜ」




