197.墜落と落着
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
《ヴィルSide》
ウィニーちゃんをぶっ飛ばした。
殺しちゃいない。
とりあえず、ゼロからやり直してもらうため、悪い【気】だけを払った。
悪しき神、付喪神たちを元に戻したように……。
超錬成の力を応用し、ウィニーちゃんをぶんなぐって、その体にまとっていた危険な力を消した。
これで悪い心が治ってくれてるといいんだけどなぁ……。
「「「「「ヴィル様……!」」」」」
キャロライン、ライカ。
ペルシャ、ヨウ。
そして……ポロ。
5人の勇者少女たちが、結界を解いて、俺の元へと飛んでくる。
全員にだきつかれて、もみくちゃになる俺。
「すっげーぜ先生! あんなバケモンひとりでぶったおしちまうなんてよおぉ!」
「いやいや……ライカやみんなが結界張ってくれてたおかげで、戦いに集中できたよ。ありがとな」
雷の勇者ライカをはじめとして、みんなが笑顔を浮かべる……。
が。
「ヴィル様、このあとどうするのですか? 地上へはどうやって……」
「あ」
「「「「あ?」」」」
「……わりぃ。何も考えてなかった」
「「「「おぃいいいいい!」」」」
今までは、空気ブロックで足場を作って空に浮いていた。
しかし俺は複製の力を使い……。
しばらく、スキルを使えない状態だ。
やべえ……!
このままじゃ……真っ逆さまに落ちる……!
「ヴィル様! 大丈夫であります!」
「ヨウ……?」
火の勇者ヨウが、力強い言葉で言う。
「うちとローに任せてください!」
……火の聖剣ファイア・ロー。
ヨウの相棒が、今、その手にある。
そうか、彼女なら……!
「頼む!」
「はい……! いくよ、ロー!」
ごぉおおお! と火の聖剣から凄まじい勢いで炎が噴出。
ヨウはローを構えて、矢を放つ。
「今うちは炎の鳥になる……! 神器解放……! 【神鳥炎勇者】!!!!!!!!!!!!!」
吹き出した炎が俺たちを巻き込み、1羽の巨大な鳥へと変化する。
不死鳥。フェニックスともよばれる、伝説の神獣を再現していた。
炎の鳥は俺と勇者たちを載せて、大空を軽やかに飛行する。
「ふぅう……とりあえず、たすかったぁ~……」
あのまま大海原のど真ん中に墜落してたら、普通に死んでたわ……。
っぶねー。
「「「「おおい! 勇者様がたぁ……!」」」」
どこからか声がする。
回転しながら、巨大な亀が飛んできた。
「あれは……護神像! アールマティです、ヴィル様!」
俺が治した、砂漠エルフたちの守護神。
巨大な石でできた、亀の像。
砂漠エルフたちが俺たちを迎えに来てくれたのだろう。
「おーい、みんなー。全部片付いたぜー!」
俺は火の鳥の上から手を振る。
そして、ヨウの肩を抱いて言う。
「ヨウと! 仲間たちのおかげだぜぇー!」
「「「わぁあああああああああああああああああああ!」」」
砂漠エルフたちの歓声が聞こえてくる。
ヨウは戸惑ったように言う。
「な、なぜ自分とその仲間たちなのでありますか……? ヴィル様と他の勇者さま達のおかげなのに……」
「いーんや、俺は知ってるぜ? ウィニーちゃんが空中要塞を、爆発させたとき、その破片を全部、ヨウが打ち落としてたってよぉ」
「! き、気づいてたのでありますか……?」
「ああ、すげえ腕だよ。聖剣もなく、すげえよ」
被害が最小限にとどまったのと、俺たちを救ったのは……間違いなくヨウだ。
「砂漠エルフの国を救ったのは、ヨウ……おまえだよ。それはあの大歓声を聞けば、わかるだろ?」
「う……うう……うあああああああああああああああああん!」
ヨウは、純粋な砂漠エルフではない。
そのせいで、この国になじめないでいた。
でも……今回のことで、きっとみんな認めてくれるだろう。
国を救った勇者のことを……。
ヨウは涙を腕でふいて、晴れやかな笑顔を浮かべていう。
「ありがとうであります! ヴィル様!」
かくして、長かった砂漠エルフの国、フォティヤトゥヤァでの事件は、これにて一件落着となったのだった。
【★新連載はじめました!★】
タイトルは――
『「学園トップの美少女【雪姫】と付き合ってるなんてウソだよね!?」と王子さま系元カノが泣きながら僕に謝ってくるけどもう遅いです~浮気され傷心中の陰キャ高校生をめぐる壮絶な溺愛合戦~』
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