165.硫酸のたまった落とし穴
毒ガストラップの機構を余すところなく調べた後……。
俺はずんずんと廊下を進んでいく。
「う゛ぃ、ヴィル様~……やめましょうよ、自らトラップにひっかかりにいくなんて」
「どうして?」
「いやどうしてって……」
ヨウがおっかなびっくり周りを見渡す。
トラップがあるかもしれないからな、気を配ってくれてるんだろう。
ありがたいが、無用な心配だ。
「こんなすげえ要塞が目の前にあるんだぜ? あますとこなく調べないと、もったいないだろ!」
「いや普通に攻略しましょうよ……」
「お! あそこなんだ!?」
進んでいくと、通路が二つに分かれてる。
「ヨウ、どっちがコントロール室だ?」
「右であります」
「よし!」
左に進む~。
「何ででありますかー!?」
いやだって右が正解ルートなら、左にトラップあるかもだしな。
「く、くれい……」
「くれい? 粘土?」
と、そのときだ。
ぐにゃり、と床が変形したのである。
「おー!」
俺は勢いよく下へと落ちていく。
その先には黄色い液体で満ちていた。
しゅうう……と煙を出してるあたり……酸だろう。
どぽーん!
「ヴィル様ぁああああああああ!」
「よんだー?」
「うぇえええええええええええええ!? 生きてるぅうううう!?」
俺は酸のなかで浮きながら、壁を触って調べる。
「なるほど! わかったぞ、この要塞、生物の細胞を利用してるのか! いや、生物と無機物の融合? だとしてもすごいな!」
「いやすごいのはあなたでありますよ! なんで生きてるのであります!?」
なんでって……。
「そりゃ、身体の材質を錬成スキルで変えて、溶けない身体にしてるからだけど?」
「そんな当然知ってるでしょみたいなノリで言われても……一ミリも理解できないのでありますよぉ~……」
ええー、まじぃ?
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