163.探索
《ヴィルSide》
俺は空中要塞のなかに、ヨウとともに侵入した。
ヨウの放った魔法矢、蜻蛉の矢により、コントロールルームの位置は割れている。
が……。
「ほ、本当に全部の罠をまわるので、ありますか……?」
ヨウが信じられないものを見るような目で、俺を見てくる。
まあわからないかー、クリエイターじゃないもんなー、しゃーないな。
「当たり前だろ。もったいないじゃあないか」
「罠をもったいないっていうひと、初めて見たでありますよ……」
若干あきれ口調の、ヨウ。
だが俺は考えを変えることはない。
だってこんなすげえ要塞があるんだぜ?
しかも中には工夫をこらした罠の数々があるっていうじゃあないか。
「その工夫こそが、次なる作品のヒントになるってもんだ」
「そういうものなのですかねえ……」
「そういうものなんだよ! じゃあヨウ! 案内よろしく!」
「一直線にコントロールルームへ向かった方が……まあ、ヴィル様の言うとおりにしますけども」
こうして俺は、ヨウの先導のもと、中を探索することにしたのだった。




