154.驚愕
ウィニーは高火力のプラズマ砲を放った。
プラズマの軌道上にあるものを、すべて溶かしてしまったはずだった……。
「ばかな……馬鹿な馬鹿な馬鹿な……! そんな馬鹿なぁ……!?」
ウィニーの目は見開かれ、信じられない事実を目の当たりにしてる。
連射したプラズマ砲を受けても……。
無傷の、護神像がそこにあるのだ。
「ありえない! どうして!? ボクの攻撃を直撃したんだぞ!? 全てを溶かす灼熱の光線をうけて、なぜ無事でいられるんだ!?」
答えは返ってこない。
要塞と、ヴィルとの間に通信回線など開通されていないからだ。
あり得ない事態にただただ、困惑するしかないウィニー。
「く、くそ! 死ねぇ……!」
ウィニーは何が起きてるのかさぐるべく、攻撃を繰り出した。
プラズマ光線が発射される。
襲い来るプラズマの雨に対し、ヴィルの操縦する巨大リクガメは……。
「た、立った!?」
ウィニーにむけて亀の背面を見せてきた。
その亀の甲羅はつるつるで、まるで鏡のようであった。
ぱりぃいいん!
ガラスを割ったような音がする。
だが鏡面にひび割れは一つも見られない。
ただ、プラズマ砲はリクガメの甲羅に反射していた。
「ば、馬鹿な!? 反射だと!? いったいどういう素材で……ぐわあああああああああああ!」
反射してきたプラズマ砲が、空中要塞の壁を溶かす。
今、この要塞とウィニーは同化してる。
体の一部なのだ。
要塞が壊れることすなわち、ウィニーの体が傷付くことと同義。
「いってえ……ちくしょおお……なにがおきてるんだよぉ……!」




