152.怒りの炎
リクガメがひらりひらりと、砲撃を交わしていく。
見事な運転技術だ。
一方でウィニーの砲撃は全く当たらない。
またこちらの操縦を上回るテクで、向こうが翻弄してくる。
ウィニーはヴィルの乗ってる護神像を、にらみつける。
「ヴィルぅう! てめえぇふざけんなよ! なんだよ! 道具の使い方も、ぼくより上だって言うのかよ!!!!!!!!!!!!!」
ウィニーは許せなかった。
自分と同じ存在のくせに、父から愛されてる、ヴィルが。
自分と同じはずのくせに、自分より優れてる……ヴィルが。
「ゆるせねえ……! ぼくは……ぼくはぁあああああああああああああ!」
その瞬間、ウィニーの体から黒い炎が立ち上がる。
それは、前に取り込んだ、火の聖剣ファイア・ローの炎だ。
ウィニーはヨウから卑劣な手段で、火の聖剣を奪ってたのである。
その武器を体の中に取り込んでいたのである。
「くそが……! 燃やす……消し炭に……してやるよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
立ち上がる黒い炎は、彼女のいるコックピットから漏れ出て、空中要塞の隅々に行き渡る。
「ぼくは……ぼくがNo.1なんだ! パパの一番の作品なんだ! あんな屑とちがって……ぼくが純粋な! 七福塵の! 傑作なんだよぉおおお!」
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『田舎ぐらしの幻獣配信者~ブラック企業をクビになった俺、実家の山でドラゴンを拾ったのでペット配信したら大バズりし、超人気YouTuberとなる。今更会社に戻って広告塔やれと言われてもお断りです』
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