151.才能の差
《ウィニーSide》
空中要塞を動かしているのは、ヴィルの宿敵、七福塵が作り出した作品、ウィニー。
彼女は要塞と同化して、このデカい建物を動かしていた。
「くそ……! なんだあの亀! ちょこまかとぉお!」
ウィニーが居るのは要塞の最奥部。
そこはコックピットのようになっていた。
そして……。
アールマティのコックピットと、寸分狂いのないデザインをしている。
護神像を作ったのも、そしてこの空中要塞を作ったのも、どちらも七福塵なのだ。
ウィニーは操作盤に手を置いてる。
樹木のように、手から根が伸びて、操作盤に絡みついていた。
そう……ウィニーはこの空中要塞と一体化しているのである。
彼女の能力は変化。
体を自在に変えることができる。
その力を応用し、こうして無機物と合体したのだ。
そうすることで、まるで人間の体の一部のように、この要塞を操れる……はずなのだが。
「くそがぁ! なんでこっちの攻撃が当たらなくて、向こうのは当たるんだよぉお!」
当然ヴィルは、道具と合体なんてしていない。
生身で護神像を操作してる。
道具のスペックは同格。
差がついているのは、道具の使い手の技量の差。
ようするに……。
「認めない! ボクがあいつより下だなんて、絶対にみとめないからな! ヴィルぅううううううううううう!」
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