137.おかしなやつ
人々を守る生きた建造物、護神像。
ハオちゃんたちを守っている、この大きなリクガメを作ったのは……。
憎むべき敵、七福塵だという。
「七福塵のやつが……いつ?」
「それはわかりません。ですが遥かなる昔に作られた……と。七福塵をご存じなのですか……?」
ハオちゃんママ、アンさんが尋ねてくる。
知ってるも何も……って、今なんて?
遥かなる昔だと……?
「ヴィル様……それはおかしいですね」
「ああ……やつはそんな前から存在してたってことになるしな」
とてつもなく長生きってことなのか……?
そもそもなんで守護神なんて作るんだ、あいつが……?
わからんことだらけだ……。
でも、確実に言えることはある。
「この大地の護神像のおかげで、わたしたち砂漠エルフの民は穏やかに暮らすことができましたし、今もこうしてなんとか生き延びることができてるんです」
そう……やつの作ったアイテムが、人助けに貢献してるってことだ。
なんなのだ、ほんと……。
七福塵は人を不幸にするのが目的じゃ無いのか……?
いや、考えすぎても無駄か。
本人に直接問いただすしかあるまいて。
「それで、なにがあってこの護神像のなかで生活してるんですか?」




