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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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135/283

135.難民たち



 俺は謎のリクガメ型建造物のなかに、侵入することになった……!


「うぉおお! すげえ……! なんだこりゃ……亀のなか、迷宮みたいになってるじゃあねえか!」


 中に入るとすぐ巨大なホールがあった。

 多分亀の胃か? 胃かな、多分な!

 その部分がでっけーホールになっていて、通路があちこちに延びている!


「ちょっとポロ、ヨウ、俺探検して……」

『我が主よ、落ち着くのじゃ。アレを見るのじゃ』


 夜空に言われて、俺はハッと我に返る。

 亀の胃のホールには、たくさんの砂漠エルフたちがいた。

 多分ハオちゃんの知り合いたちだろう。

 みんな固い地面の上に布を引いて、うずくまったり、座ったりしてる。


「こりゃあ……どういうことだ?」


 テンションあげあげだったけど、このたくさんの、辛そうな顔のエルフたちを見たら……。

 その冷静になっちまうよ。


「ハオ!」

「お母さん!」


 若い感じの砂漠エルフが、ハオちゃんに近づいてくる。

 母親だろうか。


 ハオちゃんママは娘をぎゅうっと抱きしめると……。


「ばか! あれだけ外に出るなといったのに!」

「ご、ごめんなさい……」


 まあまあ、とポロがなだめる。


「ハオちゃんは皆さんのために、食料を取ってくれてたんですよ。それでクラーケンに襲われて……」

「クラーケン!? まさか……じゃあ、あなたたちが助けてくださったのですか?」

「ええ、まあ」


 するとハオちゃんママが何度も頭を下げる。


「ありがとうございます! 娘を助けてくださり!」

「いえ、クラーケンから助けてくださったのは、ヴィル様です」


 ん?

 俺?


「別にたいしたことしてないけどな」

「ああ、なんと謙虚なお方でしょう! ありがとうございます!」


 謙虚っつーか、ほんとうにあれはただ、素材が欲しかっただけなんだけどね。

 まあでも、困ってる人はほっとけないぜ。


 俺は人を笑顔にする道具を作っているからよ。


「ハオちゃんママ……名前は?」

「アン、と申します」

「アンさん。いったい何が起きてるんだ? この建物は? それに、ここに住んでいる砂漠エルフたちはどうしてこんなとこにいるんだ?」


 するとアンさんは俺たちを見てうなずく。


「わかりました。全て説明いたします」

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