112.失いし相棒
ヨウが風呂に入ってるとこへ、ヴィルが間違って入ってきてしまった。
ヴィルは慌てて外に出る。
「す、すまん……風呂場一個しかなくてな。増やすわ」
「い、いえ……」
なんてことだとヨウは落ち込む。
「お見苦しいものを」
「いや、だから見苦しくなんてねえよ」
ヴィルは優しいからそう言ってくれるのだ。
周りにそう言うってくれる人は、ヴィル以外にはいなかった。
いや……ひとり、否、一本いたか。
【気合い気合い気合いだー!】
【可愛い可愛い可愛いぞー!】
【頑張れ頑張れ頑張れー!】
そう、あの暑苦しい、火の聖剣ファイア・ロー。
彼はいつだって、自分を励ましてくれていた。
「あ……」
ふとしたきっかけで、ヨウはローを思い出した。
いつもそばにいた時は、やかましくて仕方ないと思っていた相棒。
けれどいなくなって、彼女は気づいた。
だいぶ、彼に支えててもらっていたことを。
「ひっく、ぐす……」
気づけば涙がながれていた。
泣いてはいけないと思っても、次から次へと涙がこぼれ落ちる。
「ローのやつ、絶対俺が助けるよ」
ドアを挟んだ向こうから、ヴィルの固い決意のこもった声がする。
彼の言葉が胸に空いた傷に入ってくる。
感謝の気持ちとともに、彼への愛する気持ちで溢れていた。
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