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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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108.待ち構える被造物



《ウィニーSide》


 七福塵しちふくじんから生み出されし作品こども、ウィニー。

 今まで二度ヴィルと戦い、そのどちらにもワンパンで負けていた。


「くそくそくそが……ああ、腹立つ……」


 ウィニーがいるのはミダガハラ火山のなか。

 マグマのなかに、まるで温泉のような気軽さで入っている。


「あの野郎……八宝斎はっぽうさい……! 次こそはぼくが勝つからな!」


 そのとき、カサカサ……と虫が近づいてくる。

 それは目玉に手足が生えた、気色の悪い虫だ。


「ん? なに……?」


 その虫がウィニーの手のひらのうえに乗っかる。

 これはウィニーの体の一部を、切り取って変形し、作られた使い魔だ。


「なんだって! 八宝斎はっぽうさい……ヴィルのやつがこの島に来てるだってぇえ……!」


 にちゃあ……と邪悪な笑みを濃くする。

「チャンス到来だ! 三度目の正直っていうしね!」


 またも負けるだろうに、勝つ気満々のウィニー。


「次はぼくが必ず勝つさ。なぁに……新しい武器(パーツ)も手に入れたしねー……」


 風呂床のうえには、1本の美しい弓が置いてある。

 火の聖剣、ファイア・ロー。


 ヨウから略奪した武器だ。


「これを新しいパーツとして体にうめこめば、さらにぼくは強くなる。そうすれば八宝斎はっぽうさいなんて、けっちょんけっちょんにできるさぁ……! げひひひ!」


 ウィニーはファイア・ローを手に取ると、大きく口を開き……。


 ごきっ、ぼき……と顎を変形させ、人ひとりくらい丸呑みにできるくらいに、大きく口を開く。


「あーーーーん……」


 そのままファイア・ローを、ウィニーは丸呑みする。

 顎を戻して、ごくんと弓を飲み込んだ。

「げひ……! げひひ! 待ってろう゛ぃーーーるぅううう……聖剣を取り込んで、さらに進化したぼくが、君をぶっこわしてやるからねえ……! げひひっ! パパの最高傑作は、このぼくだってこと、証明してやるよぉお!」


 ウィニーは高笑いしながら、自分の体を、ごき……ぼき……と変形させるのだった。

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[一言] がんばれーウィニー(棒読み)
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