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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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104.素顔



 道中、砂蟲サンド・ワームに襲われた俺たち。

 砂蟲。一見すると超巨大なミミズだ。


 しかし先端に顔……というか、大きな口がついており、その中には鋭い牙が覗いている。

 なんともグロテスクな見た目の魔物だ。


「ヴィル様! お下がりください。ここはわたしが……!」


 ポロが夜空を抜いて構える。

 空間を断つ一撃を放つ……が。


「! 消えた!?」


 さっきまであんなでけえ虫がいたはずなのに、一瞬にして姿を消しやがった。

 どこへ……。


「……!」


 ぐいっ、とヨウが俺の襟首を引っ張って、後ろへとなげる。


「ヨウ……!」

「ヨウ様!」


 ヨウが立っていた地面のしたから、巨大な砂蟲が姿をあらわしたのだ。

 あいつ……消えたんじゃなくて、


「地面に潜ってたのか」

「ヨウ様!」


 砂蟲がヨウの下半身に食いついて、そのまま上へと伸びていく。

 ぱさ……と彼女がかぶっていた外套が、風に舞って落ちる。


 そこに居たのは、小麦色の肌を持つ、美しいエルフ……否。


「あれが、砂漠エルフ……」


 そう、火の勇者ヨウ・スナイプ・ファイアローは、砂漠エルフの少女なのだ。


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