103.砂蟲
俺たちは火山のあるナナノシマを目指していた。
火山が異常気象をひきおこしてるせいで、この南の国は人が暮らせないような島となっている。
「暑いですね……」
「うん。あ、そうだ。これ渡しとくよ」
俺は■のなかから、外套を1枚取り出して、ポロに渡す。
「なんですかこれ?」
「着るとひんやりするやつ」
「はぁ……」
ポロがふしんがりながらも、俺の出した外套を身にまとう……。
「あ! 涼しい! とても涼しいです!」
「うんうん、よかった」
「氷の魔法でも付与されてるのですか?」
「いや、外気を取り込んでその熱のエネルギーを反転させて、冷気に変換する……ってわからないか」
「はい! でも、これがすごい魔道具だってことはわかります! やっぱりヴィル様はすごいですっ!」
いやはや、道具を作るのっていいよな。
こうやって、使ってくれた人が喜んでくれるんだもんよ。
「ヨウ。おまえにもやるよ」
頭からすっぽりと、外套をかぶっている、火の勇者ヨウ。
彼女が来ているのは普通の外套。
この熱気じゃ、暑くてしょうが無いだろう。
「…………」
ふるふる、とヨウが首を横に振る。
「いいのですか、涼しいですよこれ?」
「…………」
すたすた、とヨウが無視して進もうとする。
うーん、照れ屋だからなぁ、あいつ。
人の居る前じゃ、素顔を見せたくないのか……。
「! ヴィル様! 地中より、何かが近づいてきます!」
耳の良いポロが誰よりも早く敵の接近に気づいたようだ。
ごごごお! と地鳴りとともに、そいつはできた。
「ギッシャァアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「おー……こいつは……」
「……砂蟲」
巨大なミミズが、地面から顔を出してきたのである。
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