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第95話 破天荒な美女

生徒会室から教室へ戻ると、既に帰りのHRが始まっていた。

流石に先生に何か言われるかと思っていたのだが、特に何も言われる事なくそのままHRは続いていた。

HRが終わり、みんなが帰宅の準備をしている時、突然クラスの人たちが外を見て騒ぎ始めていたのだ。

一体何があったのか気になり窓を覗いていると、そこには校門の近くで車のそばに立ちながら携帯を動かしている女性が立っていた。

今は帽子を深くかぶっていて顔は見えないのだが、目撃した人が言うには相当な美人だったらしい。

俺も見たかったなぁ。でも、あの車どこかで見た覚えがあるような・・・

その時、携帯に電話がかかってきていた。姉さんから?なんだよこんな大変な時に


「どうしたんだ、姉さん」

「いつまで人を待たせる気よ!もう終わってるんでしょ?早く来なさいって」

「いや、でもだな!今、校門の所に美人がいるって・・・」

「へー・・・とにかく早く降りて来なさい!!」

「わ、わかったよ」


はぁ、結局あそこに立ってる美人は誰だったんだ・・・見れたやつが羨ましい。

本当はもう少し居たいけどまた姉さんに電話掛けられるのも嫌だし、行くか。

うわ、窓に張り付いてるやつが何人もいる・・・

さっきの人こっち見てないから気付かなかったんだろうけどこれ外から見たらとんでもない事になってそうだな。

というか俺以外に帰ってるやついないじゃん。え、俺この状況の中一人で帰るのか?

いや、もうこうなったら行くしかないな!俺は心を決めて学校の玄関から出た。

振り向くな、振り向いたら窓一面に顔が映ってると思え・・・

俺は後ろを振り向かずひたすら前に向かって行った。

すると、前にあった車が段々とはっきり見えて来た。というか物凄く見覚えがある、そうだな最近乗った気がする。

うん、やっぱり姉さんの車だ。って事はみんなが言ってた美人て・・・


「あ、やっと来たわね」

「やっぱり姉さんのことかよ!!」

「な、何よ。人を見るなり急に」

「いや、なんでもないから」

「絶対何かあるでしょそれは・・・まぁいいわ。ほら、早く乗って」

「わかったよ。にしてもどこに行くんだ?」

「大学よ」

「大学?一体何しに」

「まぁ行けばわかるわ」


一体何しに行くんだ、大学なんて。しかもどこの大学かも教えてくれないし。

そもそもこんな時間に行っても何もすることなんてないんじゃあ・・・

結構、距離あるんだな。まぁ、家の近くに大学はないし当然か。

約30分程掛けてようやく目的の場所にたどり着いたらしい。でかいなぁ・・・俺の通ってる高校の倍くらいの大きさだな。

校門の前に警備員いるじゃん。しかも大学入る人は何かのカード持ってるし。これそもそも入れるのか?


「なぁ、姉さんここ本当に入れるのか?何かカードみたいなのが必要みたいだが」

「大丈夫よ、私に任せなさいって」


そういうと姉さんはいつも通ってるかのような手際で受付をクリアしていた。

そして俺の元へ戻ってくると俺にカードを差し出して来た。

どうやらこれを使えば大体のところにはいけるようになるらしい。・・・なんでこんなものを姉さんが持ってるんだ?

っと、早く行かないと姉さんを見失ってしまうな。

姉さんに着いて行きながら歩くこと数分、とある施設の前で立ち止まった。

どうやらここらしいな。どこか他の場所とは違う雰囲気があるような・・・

そんなところでも姉さんは躊躇ぜすに入って行く。俺も覚悟を決めて中に入るとそこでは里奈さんが椅子に座りながら菜々さんと会話をしていた。

すると、俺を見るなり里奈さんが椅子から立ち上がりこちらに駆け寄って来た。


「あら、久しぶりじゃない!!」

「ど、どうもお久しぶりです」

「元気そうで何よりだわ!それよりも璃亜さん、今日は何の用なの?」

「今日はあなたよりも菜々に用があるのよ」

「菜々ちゃんに?」

「えぇ、だからその間あなたは優と待ってて」

「え、それだったら俺が来た意味ないじゃないか!」

「それもそうね・・・ならせっかくだし里奈にこの学校案内してもらいなさい。あなた、まだ受ける大学決まってないんでしょ?」

「ま、まぁそうだけど・・・」

「案内なら任せて!そしてあなたをこの学校に入学させてあげるわ!」

「里奈、そうじゃなくて入学したくなるような気持ちに、でしょ」

「そうだったわね!」

「それじゃ、あとはよろしくね」

「もちろん、私に任せて!」


い、今からこの人と二人きりなのか・・・ふ、不安すぎる!!

お読みいただきありがとうございました。

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