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第67話 破天荒な合格発表

卒業式を終えてから数日後、美玖の合格発表の日が訪れた。

付き添いで俺が一緒に学校に向かったが、そこには既に親と一緒に結果を見に来た人で溢れていた。

そして、数分後先生達が前に出て来て板にかけられていた布を取り外した。

すると、その瞬間から一気に喜びの声が次々と上がった。その中には泣いている人もいた。

美玖は自分の番号を必死に探していた、そして見つけた。


「あ、あった!あったよお兄ちゃん!!!」

「あぁ、よかったな美玖!」

「うん!!」

「じゃあ、何か買って帰るか」

「え、いいの?」

「おう、俺からの合格祝いだ」

「やったー!!」


俺は母さん達に美玖が合格したことをメールで伝えた後、美玖とデパートへ向かった。

美玖はデパートに着くと、洋服を見に行った。俺も見失わないよう後を追いかけた。

美玖が先に入って行った洋服屋に着くといきなり美玖が二着の服を持って走って来た。


「ねぇねぇ、こっちの服とこっちの服どっちが似合う?」


そう言われて見せられたのが片方はリボンの付いた黒いスカートで、もう片方は黒のロングスカートだった。


「そうだな、長い方がいいんじゃないか?」

「へぇ、お兄ちゃんこっちが好みなんだね」

「・・・お前、何か隠し事でもあんのか?」

「気のせいだよ!それよりも、選んでくれたやつ、買ってくれるんでしょ?」

「あぁ、わかったから。ほら、早く渡せ」

「わーい、ありがとお兄ちゃん」

「はいはい」


美玖からスカートを受け取り、レジで会計を済ませた。

会計を終え、店を出るとまた美玖がどこかへ走って行った。

追いかけていくと今度はアクセサリーショップに入って行った・・・こいつまさか。

そして何食わぬ顔でブレスレットを持って来た。


「次はこれがいい!!」

「あー、うん。それは買ってやるが次で終わりだからな?」

「え!?」

「やっぱりか、俺は何か買ってやるとは行ったが大量に買うとは言ってないぞ」

「でも一つだけとかも言わなかったじゃん」

「ま、まぁそれもそうなんだが。とにかく、次で終わりだからな」

「えぇー!!」

「はいはい、愚痴は後で聞くから」


そう言い残し、美玖に渡されたブレスレットの会計を済ませ店を出た。

すると、美玖が近くにあった店内マップを見ながら悩んでいた。

行き先が決まったらしく、そのまま一人で向かって行った。

それを後ろから追いかけて行き、着いたところはカフェだった。


「最後はここでいいよ」

「いいのか?本とか買わなくても」

「別にいいよ。お兄ちゃんと一緒に居たかっただけだし」

「・・・とりあえず座っとけ。何か頼んでくるから」

「いや、私も行く!」

「っち、水だけ運んでやろうと思ったのに」

「そう言うと思いましたよ〜」

「と言うかお前、いつも頼むもの一緒なんだから別に付いてこなくてもいいだろ」

「・・・だからさっきも言ったじゃん。一緒に居たいんだって」

「はぁ、わかったよ。好きにしろよ」

「やった!えへへ」

「全く、仕方ないやつだな」


その後二時間ほどカフェに滞在した後家に戻り、仲間外れにされたと落ち込んでいる姉さんに対して美玖が全力でマウントを取りにかかっていた。

なんだかんだで、二人姉妹なんだな。やってることがまんま一緒だ。

しばらく傍観した後、姉さんを全力で励ましにいくと今度は美玖が落ち込んでいた。

しかしそれには触れず、俺はそのまま部屋に戻った。

その後、ドタドタと足音を立てて俺の部屋まで上がって来たのは言うまでもない。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもよろしくお願いします。

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