第26話 テスト前の破天荒
昨日は家に帰るなり美玖に怒られたり途中で姉さんが来たりと散々で、夕食を食べた後布団に倒れ込みそのまま寝てしまった。朝気がつくと携帯が凄い勢いで振動していた。携帯を開くとメールが200件ほど届いていた。最初は迷惑メールかと思ったが、差出人は全て玲狐だった。内容としてはメールの返事はまだ?などの返信の最速のメールばかりだった。途中からは大量の文字が書き込まれていたが、何か呪われそうなのでそのままスルーしておいた。昨日のことを思い返すと昨日、美玖と話してる時に玲狐からメールが来て、それにより別の問題が発覚したのでそれの説明をしていた。なので玲狐からのメールのことをすっかり忘れていた。今回ばかりはこちらに非があるので玲狐の家に行って、まずは謝ろうと思って早めに家を出た。するとまた家の前で玲狐が立っていた。
「おはよう、優くん。昨日はなんでメールの返事くれなかったのかな?」
「すまん。それは説明すると長くなるんだが、簡単に言えば昨日帰った後美玖達に絞られてそのまま疲れて寝たって感じだ」
「あー、なんとなく分かった気がする。優くんも大変だね・・・」
「不思議と慣れてきたもんだよ」
「それよりも、返事聞かせてよ!」
「ん、ああ。断る」
「なんで!?」
「なんでって、お前俺より頭いいだろ。それに入学試験で1位だったやつに何を教えろって・・・」
「うっ、そ、それは・・・」
「お前でもそうなるだろ」
「じ、じゃあ私が教えてあげるよ!」
「それも断る」
「なんで!?」
「お前まず説明下手だろ、後確実に勉強から脱線する」
「うっ、否定出来ない・・・」
「というかお前の目的は俺と遊びたいだけだろ」
「はいはい、そーですよ。それが目的ですよ」
「はぁ、全くお前ってやつは」
「で、どうなのよ。」
「そうだな、よし。じゃあクレアにテストで勝ったらいいぞ」
「それはいいけどさ、なんでクレアちゃん?」
「昨日言われたんだよ。お前とテストで勝負して勝ったらデートするんだ。って」
「何それ!そんなの聞いてないんだけど!!」
「まぁそうだろうな。昨日聞いたばっかだし」
「でも、いいよ!その勝負受けて立つよ!」
「やる気だな」
「まぁ勉強だったら勝つ自信あるからね!」
「流石と言ったところだな」
「ふふーん」
「でも、学校そろそろ遅刻だぞ」
「・・・え?」
「ほら」
「・・・うわー!!!遅刻するー!!!」
「やっぱりこうなるのか」
「は、はやく行かないと!」
焦って走る玲狐を追いかけるように走る。
そして学校近くの道なりまで着くと玲狐は走るのをやめ、歩き出した。
周りにはまだちらほらと登校中の生徒がいた。
どうやらギリギリ間に合ったらしいな。
「あれ、そういや燐は?」
「燐ちゃん?燐ちゃんなら優くんの後ろに」
「は!?またか!?」
「嘘だよ〜、燐ちゃんは今日やる事あるからって先に行ったよ」
「お前脅かすなよな。そのネタは燐だと普通にありえそうで怖いんだよ」
「あー、確かに優くんの後ろには結構いるよね」
「まぁ先に行ってたんなら大丈夫か」
「そうだね。私達も行こっか」
玲狐と共に教室に向かう。すると後ろから走ってくる音が聞こえ、避けようとしたがそのままぶつかってしまった。
流石にそのままにはしておけないので起こしてあげた。
「すみません、前見てなくて・・・って優くん!おはよう」
「クレアか、おはよう。怪我ないか?」
「はい、大丈夫です!」
「おはよう、クレアちゃん」
「あら、おはようございます。玲狐ちゃん」
「ねぇ、優くんから聞いたんだけどさ私とテストで勝負するってホントなの?」
「えぇ、もちろん!」
「へぇ、まぁ頑張ってね。まぁ、最後に笑うのは私だろうけど」
「いえいえ、勝つのは私ですよ」
「お前らここで張り合わなくていいから。授業始まるからさっさと教室行くぞ」
今日はテスト前日ということもあり、午前中で授業が終了した。
その後は遊びの予定を立てる人と即座に帰る人で別れていた。
ちなみに俺はすぐ帰った。理由は簡単だ、さっさと帰って寝たい。
ここの所疲れてそのまま寝るを繰り返していたのでたまにはゆっくり寝たいと思ったからだ。
だが勉強もしないといけない。だから帰ってすぐ勉強してその後に寝よう。そう考え、即座に実行しようと思ったが、勉強をしている間に食べようと思っていたお菓子が棚から消えていた。犯人であろう姉さんの部屋に向かい、ドアを開けると紙が一枚机の上に置かれていた。何が書かれているか読んでみると
『ちょっと仕事に行ってきます。お母さんによろしく!PS.お菓子ごちそうさま。そこにあるの食べていいよ』
と書かれていた。そしてその横に洋菓子の詰め合わせが置かれていた。
「こんなので許されると思ってるのか・・・今回だけだぞ」
横にある洋菓子を持ち、部屋に戻って勉強を再開した。
結局夜は勉強していたためゆっくり寝れなかった。
やはりテストほど嫌なものは無いな。
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