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ウザいけどカワイイ後輩と四六時中ダベる日々。  作者: かるたっくす
2年・春――後輩、ときどき押しかけ新妻的な日々
24/57

24.倍返しと思わぬ返し



「分かった。そんなに言うんだったらやってやろうじゃないか」

「はい?」


 志賀の悦に入っているような笑みが一転、不思議そうな表情に変わる。

 俺は食べかけのカップ麺を志賀の前に置き、


「ほら、シェアするんだろ。食べていいぞ、ラーメン」

「え、だからそれはちょっとした冗談で……」

「俺もちょうどチーズバーガーが食べたいところだったんだ。ほら、早く寄越せ」

「ちょ、なんですか先輩。急にそんな強引に」


 志賀の態度が分かりやすく弱腰になる。

 もしかしてこいつ、自分がからかわれることには弱いのか……?


「どうしたんだ志賀。お前もラーメンが食べたかったんだろ? 早くしないと冷めるぞ」

「い、いやぁ。別にどうしても食べたいってわけでは」

「遠慮するなよ。ほら、箸もこれ使っていいから」

「え? それだとほんとに間接キスに……せ、先輩の方ははそれでもいいんですか?」

「構わん。死なばもろともだ」

「重い! いきなり激重ですよ先輩! どうしちゃったんですか、急に」


 どういうわけだか心配され始めた。

 まあ、さすがに悪ノリが過ぎたかもしれない。

 ここまで志賀を狼狽させられたのだから。少しはからかわれる人の気持ちが分かったはずだろう。


「そうかそうか。まあ、志賀がその気じゃなくなったのであれば俺も無理強いは――」

「……あーん、してくれますか?」

「は?」

「先輩があーんってしてくれるなら、食べてもいいです。ラーメン」


 まったくもって謎過ぎる要求に、俺が困惑したことは言うまでもない。


「いや、するわけないだろそんなこと」

「じゃあいいです。あたしもラーメンなんていりません」

「なんだそれは……そもそもラーメンを相手の口に運んでやるなんて、普通しないだろ。ポテトならともかく」

「じゃあ、ポテトならしてくれるんですか?」

「しない。絶対に」


 俺の即答に、志賀はあからさまに不満そうな顔になり、


「はぁ、中々恋人らしいことはできないものですねぇ」

「そりゃ、恋人じゃないからな」

「いえいえ、あくまで恋人らしいことですから。今この瞬間に恋人である必要はないわけですよ」

「また意味不明な論理を……」

「たとえばほら、今日の夕方――先輩と元部長さんみたいな」


 思わぬ志賀の言葉に、俺は耳を疑いかけた。


「……俺と冴姫さんが、なんだって?」

「だから、夕方のことですよ。お二人で駅前をぶらついてたじゃないですか。恋人同士みたいに」


 ……恋人同士みたいに、というのは主観でしかないからさて置き。


「なんで俺と冴姫さんが駅前にいたことを知ってるんだ」

「先輩の行動を十分単位で把握できる能力があるとかないとか」

「どこぞの日記所有者かお前は……どうせ、志賀も駅前で遊んでたとかなんだろ」

「あたしも、ってことは、先輩たちも遊んでいたわけですね? それってつまりデート――」

「違う。たまたま駅前のスーパーに行こうとしたら予備校から出てきた冴姫さんと鉢合わせただけだ。一緒にいたのも、近くのコンビニまでだった」


 いや、なんで俺が釈明するような感じになっているのか。

 志賀も志賀だ。からかうためかと思いきや、なにか身を乗り出すような態勢で問い詰めてきている。どことなく真に迫る感じだ。

 まさかとは思うが、急用があるふりをして先に学校を出ておいて、どこかから俺のあとをつけていたんじゃ……。



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