ジュナとデート
「市場に来たわけだけどキナは私にどんなエスコートをしてくれるのかしら?」
ジュナは亜人市場に来てから俺に言う。エスコート、エスコートねぇ。どうしよう。女をもてなす自信なんてない。ほとんどが戦いの毎日だったからマジにジュナをエスコートする自信がない。どうしようか。
「お、そこにいるのは主人様ではないですか!この人間はどなたですか?」
市場で店を開くラガーオークのオスが俺に聞き俺は
「この人は俺の将来の嫁さんだから丁寧に扱ってほしい」
「主人様。それはマジな話ですかい?」
「マジもマジの大マジよ」
俺がラガーオークのオスに言うとラガーオークのオスは大きな声で
「亜人市場にいる亜人諸君!主人様が嫁さんを連れて歩いているから丁寧に対応するように!」
おい!そんな大きな声で言わなくても俺がちまちま回って報告するのに!今ここに集まられたらどうする気だ!
ラガーオークのオスの叫びに対し俺は思っていたが俺の予想とは違く店のみんなは俺たちに近づこうとせずただ雰囲気?的なものが変わっていた。まるでジュナを品定めするかのような。
「主人様。俺たち亜人種一同はあなたに感謝しているんです。あなたはこんな恵まれた土地を与えてくれただけでなく俺たちみんなに好きなことをやらせていただいている。俺たちはただ主人様の幸せを願っているだけなんです。いつも忙しそうにしていて嫁さんなんてできないと思っていましたが嫁さんを連れてきてくれて俺は嬉しいです。おい。そこのお前」
ラガーオークのオスはジュナを呼ぶとジュナはラガーオークに近づいて
「何ですか?」
「主人様の嫁になるんだ。主人様はきっとちゃんとした人を選んだと俺は信用しているだがな。他の奴らは違うかもしれねぇ。だからあんたはしっかり市場の人に気にいられるようにしな。それも嫁としての修行だと思うぜ俺は。俺は商売にしか興味はねぇし他のメスにも興味はねぇから無頓着だがよ。他の奴らは違うからしっかりな」
ラガーオークのオスが言うとジュナは頭を下げて
「ご忠告ありがとう。私も早く亜人都市の亜人達に好かれるように頑張ります」
「その意気だ女!がんばんな!」
ラガーオークのオスはジュナの背中を叩いて景気付けした後に俺とジュナは次に違う店に向かう。あ、さっきのはちなみに店じゃなくて市場の紹介をするラガーオークね。商売好きのくせに物は売らんらしい。あいつは物には愛を注ぎすぎているから買われてしまうと別れが辛くて泣いてしまうらしいからだ。




