永遠
ジュナが出ていった後、他の亜人たちも大広間から出ていき、広間にはミワと俺、オルゴロス、サラスコが残る。
「さて。チドラがかえってくるまえにできるだけ力をつけないと」
そうでなければ帝国に向かっても腕っぷしでしか勝てないからな。女神さまの恩恵にいつまでも頼るわけにはいかない。もっと強い魔法を身につけなければ。
「主人。私はどうすれば良いでしょうか?」
「・・・そうだな。オルゴロスは空間魔法以外はつかえるのか?」
「そうですね。私には空間魔法しか使えません。ですが私は空間魔法を極め、永遠、を極めました」
永遠?なんだその魔法は?
「永遠は空間魔法で最強の闇魔法。空間魔法で永遠の時間をつくる、というのは都合が良すぎますな。時間が可能な限り遅くなるんです。永遠の中では1日が1年になります」
1日が1年だと、それはかなり修行ができるじゃないか。だが独学だけではきつい。だれかあいてるやつは・・・。いや、1年を過ごすなど嫌だろうな何もない空間でただひたすら修行に明けくれるなんてな。
「俺1人でもいかせることは可能か?」
「だめです。行かせることはできません。私は主人が修行するために空間魔法を極め、永遠を取得したわけではありません。敵に永遠の苦しみを与えるためです。長い時間娯楽もなく孤独に過ごすけとは自己崩壊にもつながります。ですのでこれは敵を追い詰める際に使いましょう。そしてサラスコを安全に帝国に向かわせるため、チドラの迎えに行くために悪魔を、アバレストに永遠の苦しみを与えるために」
なるほど。確かにその永遠という空間魔法ならあの悪魔を倒せるかもしれないな。
「よし。じゃ俺とオルゴロスで向かおう。他の人達は幻の大地に残ってチドラが帰ってきてすれ違いになるのは俺とオルゴロスがシソンタウに向かうのが無駄になるから皆残ってくれ」
俺はその場に残ってるサラスコ、ミワに対していうとミワは
「わかった。待っててあげます。でも兄様、怪我はしないでね。絶対に」
ミワは睨みを効かせながら俺に言う。今回のやつは流石に結構怒ってるか。まぁ確かに今回のはかなり危なかったな。
「ぜ、ぜんしょするよ」
「ぜんしょ?絶対じゃなくて?」
めっちゃ睨んでくる。怖い怖い。
「わ、わかった。絶対だ」
「・・・た、多少の、あんまり深くない傷なら見逃してあげるわ。本当に多少よ?わかった?兄様」
俺はミワの言葉に首を縦にふった。




