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常磐の王子  作者: 櫻塚森
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父上が即位した数年後に起きた中規模の厄災でバジリスクの上位種が爆誕した。場所は砂漠と獣人族の領地の境目地域だ。厄災の行軍からはぐれた魔物は大概上位種で手強い。獣人族を中心とした辺境軍と王都からの救援で何とか撃退出来たんだけど、バジリスクの残した魔石の所有権でもめた。

魔石が残されたのは人族の治める領地の砂漠。けれど、討伐したのは獣人族の長の息子。法律では魔物から得られる魔石はある一定の体積以上のモノは国に治め、国の判断で所有者が決まる。もちろん、王立公園の瘴気を抑えエネルギー源として活用することも国が判断するなら所有権の主張をする者は従わざる負えない。しかし、砂漠地帯の領主は、資源の少ない砂漠地帯にこそ魔石と言う資源が必要だと訴え、獣人族の長は今回の厄災でバジリスクは砂漠に魔石を落としたが瘴気を恵みの森に吐き散らかした。真っ直ぐ吐かれる筈の瘴気が歪んで森に降り注いだ原因を探ると人族の者が作り出した魔道具が怪しいと分かり更に調べてみるとおぞましい結果が見付かった。国として厳正な対処と共に森の復活のために魔石を所望すると訴えた。

その結果、魔石は獣人族にもたらされることになり、砂漠地帯の領主は捕えられた。

おぞましい結果が何であるのかは俺が十歳になったら教えてくれることになっている。人族の領主は、神からも罰を与えられ使い魔を取り上げられ魔力の大半を失い、人族の国の何処かへ流刑となった。東西の森を越えた所には人族中心の国がある。彼等は彼等で余り厄災の被害を受けていないことや森を越える程の魔力保有量を持つ者がいないせいで此方には関係なく暮らしている。ラーネポリア王国と人族の国にある魔素量はだいぶ違くて、魔力の少ない者は使い魔が居なければ息をするのも大変らしい。使い魔を失い、魔力の大半を失くした元領主はラーネポリア王国では生きられない身体になったってことだ。放っておいても魔素にやられて死ぬしかないのに流刑によって命は助かったのだから温情だよね。人族の国に流刑される罪人は二度とラーネポリア王国に戻って来られないよう記憶を一部弄られ、体内魔力保有量を特殊な魔石によって吸われてしまう。彼も同じような処理をされて流刑された。これまで、砂漠地帯の発展に貢献してきた事実はあったから処刑されずにすんだらしい。

人族の国の中なら彼は優秀な魔術師になれるだろう。案外、幸せに暮らしてるかもしれない。人族国家では、人族同士で戦争することもあるみたいだし、もしかしたら、ラーネポリア王国の存在を知らない民も多いんじゃないかと思う。

と言う訳で人族の国と我らの国(んー世界ってのが正しいか)はほぼ関わりがない。

時々、好奇心の強い獣人や亜人の子供とかがうっかり森を越えて人族の国に迷い混んでしまうことがある。国としては人族の国と争ってる暇はないので親族以外が連れ戻す行為を禁じている。

たまに、ホント、たま~にあっちに行ったまま帰ってこなくて、住み着いちゃう者もいるけど、ラーネポリア王国の住民じゃなくなるから、使い魔も消えちゃうし、彼方の魔素量が少ないから魔力保有量が多い者は準備をしてからじゃないと自身の魔力の強さに魔力酔いを起こして大変なことになる。保有量の多い者程魔素濃度の低い場所での魔力コントロール不全に陥るんだ。

そんなデメリットがあるとこだけど一部の者には楽園だと脳内変化してるバカがいる。

ちゃんと情報は伝わっているはずなんだけど、人族と比べる圧倒的な魔力保有量があるから、人族の国でなら一旗揚げることが出来るとか思ってしまうみたい。人族の国では

人族の姿をしてない者は全て異形とされる。彼等の基準で見目麗しいとされているエルフ何かは大人な奴隷にされてしまうらしい。魔力酔いを起こして普段の力を出せない状態に陥っている隙に隷属の首輪を付けられるんだって。

そんなダークな事情もあるのに何で人族の国に行こうとするかね。

えーと、なんの話だったっけ。


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