ひとのいやがること
『ひとのいやがること』
ひとのいやがること
してみたい
してみたい
ひとのいやがること
してみたい
してみたい
だってボクのカラダが欲してるんだもの
ひとのいやがること
してみたい
してみたい
あーんなこっとー
あーそれとか
こーんなこっとー
ああ してみたい してみたい
そーんなこっとー
あーそれから
どーんなこっとー
ねえ してみたい? してみたい? してみたい?
あーあっあー
ひとのいやがること
してみたい
してみたい
たとえば──
真夜中に大音量でギターをかき鳴らしてみたり
可愛いフェレットだよと言いながらホワイトスネイクを友達の手に巻きつけてみたり
しびれた足の裏を悶絶するまで突っついたりしてみたい
それとか
全然知らない人の隣を恋人みたいに歩いてみたい
回転寿司で私が食べた50皿を少食な隣の子の前にそっと置いてみたい
合鴨のローストを「ヤンバルクイナだよ」と言ってエコロジストの彼にふるまってみたい
集合体恐怖症のあの子と一緒にカエルの卵の写真を楽しみたい
何も知らない子供たちにこの世の裏について教えてみたい
それから
ほんとうはもっと
ちょっとここには書けないような社会の眉が吊り上がるようなこと
してみたい
でも
あの子に嫌われたくない
だから出来ない
だから出来ないだけなんだ
あーんなこっとー
あーそれとか
こーんなこっとー
ああ してみたい してみたい
そーんなこっとー
あーそれから
どーんなこっとー
ねえ してみたい? してみたい? してみたい?
あーあっあー
ひとのいやがること
してみたい
してみたい




