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遠距離恋歌
『遠距離恋歌』
日曜日の午後に貴方からのメッセージを読む
ラインの文字は貴方の心で溢れていた
貴方の嘘で
まるで貴方は錆びついた自尊心を握りしめているよう
だから他人の涙をも笑えるのね
返信はいらないわ
南行きの列車に乗って
一日だけ私の元へやって来ると
一昨日貴方はまた嘘をついた
約束は確実なように見えて
時計の針が進むのだけを見送っていたわ
そう言って彼女は俺から去って行った
呼吸するのって難しいもんだな
俺の言葉はすべて嘘にされておまえに殺される
おまえは寝転んだまま背中で言う
さようなら
南行きの列車に乗って
一日だけおまえの元へ行けるものと
一昨日おまえはまた嘘をついた
約束は確実なように見えて
俺は時計の針が進むのだけを見送っていた
そう言って俺は彼女を自由にした




