表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しいな ここみ 詩集 『ラヴの大爆発』  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/358

愛のさかむけ

 『愛のさかむけ』



左の中指

爪の手前の

皮がパッツン

膨らむくらいに

お肉がはちきれそうなところに

愛のさかむけ

私に剥がされるのを待っている


人差し指と

親指でそっと

つまみ食いする

悪い子供のように

バナナを盗むようにひっぱると

愛のさかむけ

私に剥がされて泣いてしまった


そのむこうから覗く

悲しそうな目をした美しき三十男

グラムロックの薫り

黄色い麦に包まれた顔が

私をじっと見ている



私は急いでさかむけを戻した

唾をいっぱいつけて接着した

もうこの世にはいないはずの

彼を起こしてはならなかった



私の肉は薄い皮で守られて

私の愛はさかむけで隠されていた

からだ中にさかむけができた気分に

けっしてそれらを剥がしてはいけないのだと


思いながらも

私のいけない指は


そこへ





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  さかむけ、は。包まれたはずの、その覆いのほころびかもしれませんね。  いたずらな指が、そこからめくりひらいてしまうのを恐れて、ひとは、爪切りで断ち切ったり、毛抜きでつまみあげるのでしょう。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ