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あの遊園地へ
『あの遊園地へ』
ピンク色のお城がかわいかった
あの遊園地にはもう行けないのだろうか
隣に笑うキミがいた
あの日にはもう戻れないように
ゴッキーマウスの耳をつけて
はしゃいでいた自分がばかみたいだ
あんなばかみたいなかわいい自分には
もう戻れないのだろうか
約束はしたはずだよ
観覧車のたもとで待ってるって
キミは来なかった
永遠がそこにあった
ゴナルドゴックがあたしの背中をやさしくさすって慰めてくれた
あたしは泣いてなんかいないのに
泣き顔みたいに見えたんだろう
ただあたしはその時羽化していただけなのに
羽が生えると空は飛べないんだって知った
羽があるのに飛べないってのはそういうことなんだって
トンデレラは空を飛べてもあたしには無理なんだって
あの日あたしは残酷を知った




