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藤田ニコル
『藤田ニコル』
日本人なら
藤田ニコルを好きになってはならない
などという法律がもし出来たなら
藤田ニコルは誰のために生きるのだろう
私は藤田ニコルではないし
友達でもない
なりたいと思ったこともないし
どうでもいい
それでも藤田ニコルのことを思うと泣きたくなる
どれだけ一生懸命をメイクで隠して
辛い気持ちも笑顔で飛ばして
人気者で居続けようとも
ある日突然そんな法律ができたら
一瞬で殺されてしまう
もしそうなったら名前を変えて
身に着けてきたキラキラなもの
脱ぐしかないのだろうか
やるしかないのだろうか
そんな藤田ニコルを想う
私がおかしいのだろうか
藤田ニコルよ
藤田ニコルよ
おまえと私の関係は
それだけだ




