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冷たさ、他人の空
『冷たさ』
見て あのひと 布団と一つになってる
布団はわたし
冷たいフローリングの床はあなた
わたしは布団になりながら
あなたの上へ
降りる
しびれるような冷たさが
刺す
わたしは急いで
布団に戻った
『他人の空』
高い青空に
自分を浮かべる
目を細めて
それを見送る
自分が飛ぶ
長い尻尾を靡かせて
自由に飛ぶ
やがて落ちてくるだろう
わたしは
ここにいる
ここにいて
いつか落ちてくる君を
待ち構えている
優しさとかでなく
同情でもなく
いつか落ちてくる君を
ただ知っているから
青空が
綺麗に見えたんだよね
でも違ったと
いつか君は知る
傷つけられて
落ちてくる
わたしは言おう
文句ではなく
批判でもなく
ただ目を泳がせて
君を抱きしめながら
慰めるつもりもなく
ただ言おう
期待しちゃったんだね
ばかみたいだよ
光を見ちゃったんだね
自分とは違う
他人の空にさ




