126/358
長い詩が書けなくなった
『長い詩が書けなくなった』
昔は書いてたんですよ
原稿用紙10枚越えるぐらい
長い詩をね
丁寧に
それはもう丁寧に
最低一週間はかけて
磨きに磨いて
ふざけた内容なのに
誰が読むんだこんなのなんて思わずに
自信満々で編集さんに見せたら
ふざけるなって言われたんですけど
当時はふざけて何が悪いんだって思ってましたね
今では私も編集さんと並んでこう言いたいですけどね
ふざけるなって
凄かったですね
若い頃の万能感って
自分は世界のすべてを知ってると思ってましたからね
それがわからん凡人はしょーもないなって思ってました
あまりにも高尚な内容だからギャグのオブラートに包んでるんだって
それがわからん凡人は早くシネマに行けって思ってましたね
パワーが暴走しておりました
でもそのパワーがね
詩を書くパワーになって
長い詩を時間をかけて書かせていたんでしょうね
今ではそんなパワーはもうないですね
この詩も最低500文字書こうと決めてたのに
もう早く終わりたいですからね




