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送り火
『送り火』
帰って行く
お線香の香りに誘われて
私の隣でにこにこ蹲っていたあの子が
またあちらに帰って行く
らしい
送り火という風習を
実際に見たことがない
うちではそれはないものだった
きっとご先祖さまもあの子たちも
見送りがなくて寂しかったことだろう
灯台の光がない暗い海へ船を漕ぐように
不安になりながら帰って行ったのだろう
なんて
お墓参りも出来ない私には
想像する資格すらないかな
ファンタジーと知りながら
ここにいない人を想う心は必要
『送り火』
帰って行く
お線香の香りに誘われて
私の隣でにこにこ蹲っていたあの子が
またあちらに帰って行く
らしい
送り火という風習を
実際に見たことがない
うちではそれはないものだった
きっとご先祖さまもあの子たちも
見送りがなくて寂しかったことだろう
灯台の光がない暗い海へ船を漕ぐように
不安になりながら帰って行ったのだろう
なんて
お墓参りも出来ない私には
想像する資格すらないかな
ファンタジーと知りながら
ここにいない人を想う心は必要