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わたしの言いたいことの総て
『わたしの言いたいことの総て』
わたしには言いたいことがあるんだろう
おしりを支点にユラユラ身体を揺らしている
わたしには伝えたいことがあるんだろう
眉間に寄せたシワがそれを出力したがっている
わたしの言いたいそのことを
総て上手にことばに乗せて放ったとしても
あなたには違う意味にとられてしまう
わたしとあなたが違うニンゲンだからだ
あなたなんかにこのわたしをわかられてたまるか
既に二人のあいだでことばは別のモノになっている
わたしの放ったわたしのものでもなく
あなたの受け取ったあなたのものでもなく
迷子の立派な子犬のようになって
仲裁しようとオロオロしている
オロオロしなくていいよ
自由な道をお行き
わたしは次のことばを放つから
バイバイ
どこかへ行ってらっしゃい




